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アセントロボティクス、AI教育に必要なデータを自動生成&自動教育

山善ブース内、東邦工業とのコラボで出展した部品供給システム

 「『AI教育を自動化している』という点が、我々の特色であり強みだと考えている」。
 1210日から広島産県立広島産業会館で行われた「第4 ひろしまAIIoT進化型ロボット展示会」での一幕。山善ブースで行われた東邦工業とのコラボ展示で、アセントロボティクス(東京都渋谷区)の担当者はそう力を込めた。
 同社が披露したのは、製造現場におけるロボットピッキングのためのAIソフトウェア「アセントピック」。ピッキングする部品を3Dカメラで認識し、AIを用いて把持位置を判断することで高精度のピッキングを実現するというものだが、この把持位置認識AIを支えるコア技術こそが、独自開発されたAI教育環境だという。
 「従来、シミュレーターは『シミュレーションを行うもの』と認識されているが、我々の場合は『AIの教育環境』だと捉えて頂いたほうが良いかもしれない」と、アセントロボティクスの担当者。通常、AI教育のためには膨大な実データが必要になるが、同社が開発したシミュレーターは、教育に必要なデータを短時間で大量に生成できる機能を備えているのだという。「ワークのCADデータを基にあらゆるケースを想定したランダムなデータを自動生成し、それをもとに自動で教育を行うため、様々なケースに対応できる非常に安定性の高いAIを実現している」(同社)。
 こういった利点に加え、同社がアピールするのがコスト面での優位性だ。「セットアップが非常に簡単なため、立ち上げ工数を削減できる。また、AIの安定性が高いがゆえに、使用する3Dカメラが安価なもので済むという点も特長の1つだ」と担当者。実際に東邦工業とのピック&プレースシステムのコラボ展示で採用したのも、3万円程度の安価な3Dカメラだという。
 リリースしたばかりのアセントピックだが、担当者は「ユーザーの反応はとても良い」と手ごたえを語る。「やはり大規模な生産ラインや物流センターであればあるほど、カメラが安く済むという特長が喜ばれる」。今後は拡販に向け物流業界や製造業における部品のセットアップ工程へアピールを強める考えだ。

20201225日号掲載)