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山久、業界初プラチナくるみん認定

社内チームで「働きやすい」環境づくり

 山久は、328日に機械工具卸売業として初のプラチナくるみん認定を取得した。2014年にくるみんマークを取得し、18年に再度取得してから今回のプラチナくるみんの認証取得までに、男性社員の育児休業等の取得や、女性社員のキャリア形成へのアプローチ、子ども参観日など様々な取組みを実施してきた。
 一連の取組みのきっかけとなったのは高橋聡美さん(人事・財務担当)自身が育休や時短勤務を経験したこと。当時、社内では育休を取得して復帰した女性社員はほぼいなかったという。「私が2人目を出産した後に育休を取得する社員が増えてきて、育休の情報共有をしていた社員たちで『くるみんチーム』を発足した。そこに育児に積極的な男性社員も入ってきて、実体験に基づきながらどうすれば働きやすくなるか意見を出しあい、社内でアンケートをたくさん取りながら、子育てを会社が応援できるような環境を体制から整えた」と高橋さんは内部からの変革を語った。
 くるみんよりも高い水準の取組みが求められるプラチナくるみん認定を目指すなかで大きな課題となったのは、認定基準の一つである「男性社員の育児休業等の取得」だったという。国からの支給はあるものの、制度としては無給となってしまう育児休業に対する方策として、家計の大部分を担うことが多い男性社員が休みを取りやすくするために、特別休暇として、年度繰り越し時に消滅する年次休暇を最大5日間「子育て推進休暇」として充足する仕組みを取り入れた。すぐに希望者はあらわれなかったが、徐々に取得する男性社員が増えた。取組みを進めていくなかで、2年前に初めて男性社員が10日間の育児休業を取得。そこから目標をクリアした。さらに女性社員についても、産休・育休からの復帰後もキャリアアップに繋がる取組みを実施した。「DXが進んでいくなかで、例えば営業事務職の社員がキャリアを積んでいった先をどうするか。働くなかで蓄えた機械工具等の知識をもって営業職に転換する等、築いてきたことをどう活かして新たな価値を生んでいくかを考えることが大切。EQ(心の知能指数)コーチングを実施し、自己の能力の棚卸しや現状の課題や改善策の検討を行った」(同社)
 このような女性社員の長期的なキャリア形成の取組みや、育休が取りやすい職場の雰囲気を醸成するため社内で子ども参観日を実施したこともプラチナくるみん認定取得に繋がった。
 平山正樹・代表取締役は「子育て支援は一つ目の目標であり、次は介護休暇の整備も進めていきたい。企業理念で掲げているキーワードである『安心』を、社員の働き方を通して達成する」と力強く語った。

2022710日号掲載)