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フジ矢、本社工場にレーザ加工機導入

商品開発のサイクルアップへ攻勢

 フジ矢の動きがこのところ活発だ。昨年末に小ロットの限定工具などを販売するECサイト「KOHGU」を立ち上げたほか、製品開発にクラウドファンディングを活用するなど新たな取組みを矢継ぎ早に開始している。さらに今年3月には本社工場(東大阪市)内の倉庫機能を外部移管し、空いたスペースに三菱電機のレーザ加工機「ML2512HV2-R-32XP」を導入するなど、数千万円の設備投資も行った。
 一見別個のものにも思えるこれらの取組みにはその実、深い関連性があるようだ。野﨑恭伸社長は導入したレーザ加工機について「最大の狙いは新製品開発のスピードアップ」と話す。「通常のペンチ・ニッパは金型を用いて鍛造し、熱処理や機械加工を行って製作するが、レーザ加工機なら金型を起こさず試験的に製品を製作できる。そうして新製品を小ロットかつスピーディに製作し、KOHGUやクラウドファンディングで市場の反応を探りながら量産化に持っていくというのが一番の目的だ」。
 一方で、レーザ加工機の導入には長期目線の狙いもあるという。「鍛造品の場合は強度を高めるために機械加工後に熱処理を行うが、そうすると製品に細かな歪みが発生し、人手での修正工程が必要になる」と野﨑社長。「その点レーザならば熱処理後の部材を加工することで歪みの発生を抑制でき、鍛造品よりも安定した精度が出しやすいためロボットによる自動化にも有利にはたらくのではないか。今はまだ色々と試している段階だが、仮にこれが機能すれば現在の専用機中心のモノづくりを根本から変えられる」と展望を語る。
 新型肺炎が猛威を振るった昨年度においても19年度比でほぼ横ばいの売上高を堅持し、利益率ベースでは大きく数字を伸ばしたフジ矢。黒地に金のワンポイントを施すことで腰周りをお洒落に統一したい職人のニーズに応えた「KUROKIN(黒金)」シリーズの昨年度の売上も19年度比2倍に伸長するなど、ブランディングによる他社との差別化戦略も実を結びつつあるようだ。
 「年内にはレーザ加工機による新製品の量産化をスタートしたい」(野﨑社長)。2年後に控えた創業100周年に向け、老舗メーカーが更なる飛躍を果たそうとしている。

2021425日号掲載)