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カルテック、食品向け光触媒新製品発表

「フードフレッシュキーパー」で行ったパンの実験比較。光触媒を当てたパン(右)は10日後でもカビが発生しなかった

パンがカビずに10日持つ

 光触媒ベンチャー・カルテックは122日、都内で新製品発表会を行った。
 これまでは光触媒技術を利用しクリーンな空気・空間を生み出してきた同社が今回新たに乗り出したのが「食の安全」を確保する製品。会見にあたり説明を行った染井潤一社長は、「毎日途方もない量の食材が破棄されているのを目の当たりにし、当社の技術が役に立てないかと考えていた」という。
 こうした背景の下、開発されたのが光触媒を搭載した食品常温保管庫「フードフレッシュキーパー」。ブレッドケースをモチーフにデザインされた同製品は、庫内の光触媒ユニットがカビの発生を抑制し、食品から出るエチレンガスを分解することで鮮度を長く保つ。実際に食パンを使用して行った比較検証では、10日後でもカビが生えなかった。「野菜や果物、調味料といった常温での保管が望ましい食品の保存に最適」(染井社長)。
 多目的型の光触媒除菌脱臭機「マルチフレッシュエア」は持ち運びが簡単なサイズで、設置場所も選ばない。冷蔵庫やペットのいる空間、トイレ、下駄箱などあらゆる場所の脱臭・除菌が可能。バッテリー内蔵型で約3週間の連続使用が可能。「匂いが気になる場所や除菌したい場所にピンポイントで設置できる。デザインはあえて『昭和レトロ家電感』を出してみた」(同)
 スポットタイプの光触媒除菌脱臭機「スポットエア」は吊り下げ型のデバイス。作業者の上方から除菌・脱臭されたクリーンエアを送り届ける。寒天を用いた実験では光触媒なしの状態では菌が即座に発生したが、スポットエアを当てた場合はまったく菌が発生しなかった。「飲食店のカウンターや食品工場など、除菌したい作業スポットが明確に決まっている場所の使用を想定している」(同)。
 また、法人向けとして、ダウンライトタイプの「ダウンライトエア」は埋め込み型照明に対応する光触媒除菌脱臭機。「多くの人が行きかう廊下は『菌の通り道』になっているにもかかわらず、意外と対策が施されていない。ダウンライトエアは照明部分に設置するだけで除菌可能」(同)。1月中旬より発売予定となっている。
 いずれも122日より同社公式オンラインサイトにて予約販売を開始する。

20211225日号掲載)