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ジェイテクト、円筒研削盤のシリーズ刷新

 ジェイテクトは228日、主力の円筒研削盤をリニューアルすると発表した。品質を重視した「L」タイプや従来機から約2割価格を下げたベーシックな「B」タイプなど、用途に合わせた5つの機種を用意し、ワークサイズごとに順次展開。既存機からの置き換えを進め、主要ターゲットであるエンジン部品以外も含めた市場のさらなる開拓につなげる。
 第1弾となる「1シリーズ」は直径100㍉以下のワークサイズに対応する小型機で、41日に発売。中型機の「3シリーズ」は2022年秋ごろ、大型機の「5シリーズ」は23年の発売を予定している。「研削盤のニーズとして大きいのはエンジン向けだが、これは需要減がはっきりしている。一方でEV・モーター向けの需要も目の前に見えており、小型ワークがこれまでより増えることから1シリーズを最初に発売する」(同社)という。シリーズトータルで年間600台の販売を目指す。
 開発にあたり、重視したのは品質・生産性・操作性の3要素。これまで別々に行っていた変形と熱変位の解析を、複合的に行う新技術(豊田中央研究所との共同開発)を搭載したことで、定寸なしの8時間連続稼働時の寸法変化を±1.5マイクロmに抑制する。着脱時間を0.5秒に抑えるワークチェンジャーなどの採用でサイクルタイムを従来機から25%削減。選ぶだけの研削パターンなど、操作性にも配慮した。
 省エネ性能も高めている。これまで昼休みや直間にクーラントやといし軸をOFFにすることは温度低下の観点から難しかったが、加工開始時間に合わせた短時間での暖機運転を可能にしたことで非加工時間における電力を削減。研削抵抗を抑えるといしも採用し、従来機と比べ消費電力を約40%低減した。

2022310日号掲載)