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金型専門展「INTERMOLD2021」レビュー

新機種・新製品発表相次ぐ

今回展では、金型加工における数年来の課題でもある「自動化・省力化」「DX」に絡んだ最新製品、ソリューションが多数展示された。

芝浦機械は超精密マシニングセンタ「UVM―450CH)」を出展。ブース内には微細加工のトップランナー・米山金型製作所による医療用マイクロ流路の金型など、超精密金型を多数展示した。

「微細加工は引き続き多くの引き合いをいただいている分野。出展機にも機上計測システムを付けているが、ワークの手戻りを無くし、マシニングセンタ内で精密な加工を完結できる提案を行っていく」(芝浦機械)。

工程間の自動化・省力化に対し、AGVにファナック製の協働ロボットを搭載した「iAssist」を提案したのが牧野フライス製作所だ。工作機械からのワーク着脱や工程間の搬送などで活用され、すでに導入した複数企業から高い評価を得ているという。

同社の井上真一社長は「現在は自社倉庫内での搬送にも活用しているが、ゆくゆくはこうした支援ロボットが介護の分野など、日常生活の中でもお役に立てるようなものにしていきたい」とさらなるブラッシュアップに意欲を見せた。

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芝浦機械「UVM—450C(H)」

安田工業は、立形5軸機のフラッグシップ機をモデルチェンジした最新モデル「YBM Vi40 Ver」の実機を初披露した。

BC軸の駆動方式にDDモータを採用し、同時5軸制御能力を向上させた。機械構造を見直し、剛性と機械安定性を高めた。B軸の連続運転時の熱変位量を3分の1に低減し、より安定した加工が可能になった。「冷間鍛造に使われる高硬度材やプレス金型加工に向く」という。

EVなどの開発・試作段階では量産品よりも高いレベルの精度が求められる。そういったワンランク上の加工に最適な高精度加工が可能だ」(安田工業)。同機は今夏の発売を予定している。

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安田工業「YBM Vi40 Ver・Ⅲ」の内部

西部電機は大型高精度ワイヤ放電加工機の新機種「SuperMM80B」を発表。シリーズ最大の加工エリア(X800×Y600㍉)ながら、ピッチ加工精度±1ミクロンを実現した。「主要部の鋳物から細部の部品に至るまで精度を徹底したことで、安定した加工精度を出せる。ニーズが急増しているモーターコア向けなどの精密プレス金型分野を中心に、幅広い金型加工分野にお使いいただきたい」(西部電機)。

三井精機工業は精密金型向けの新機種、立形プレシジョンセンタ「PJ303X」を出展。主軸熱変位補正機能、特殊熱変位キャンセル機構など精密加工の大敵である熱変位対策が各所に施されている。「レンズ金型や医療機器など高精度加工が必要な分野にセールスしていきたい」(三井精機工業)。 

同じく新機種を出展したのがキタムラ機械。同社初となる主軸4万回転の高精度微細加工機「Mycenter-SUPER MICRON(スーパーマイクロン)」を発表した(関連記事3面)。

「当社のIoTアプリケーションをはじめとした先進機能が全て盛り込まれた一台。高精度と加工能率の両立を精密金型や部品加工分野に訴求していきたい」(同社)。

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キタムラ機械「Mycenter-SUPER MICRON」による加工ワーク

工具・測定メーカーも新提案


工具メーカーからも新製品が多数発表された。日進工具は6月に発売予定の5MC加工用3枚刃ボールエンドミル「MSBSH330-5X」を展示。刃・工具形状により、「5軸加工のメリットを最大限に生かせる高精度・高能率加工ができる」と自信を見せる。

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日進工具の5軸MC加工用3枚刃ボールエンドミル「MSBSH330-5X」

刃長を短くし、工具剛性を高めた。高送り加工に対応するほか、工具の折れを抑制する。不等分割の3枚刃形状は、5MCで高送り加工をしてもびびりを抑制できるという。「3MC加工では、ワークとの干渉を避けるため工具の突き出し量を長く取る必要があるが、突き出しが長いほど剛性は低くなる。同製品を使えば5MC加工で短い突き出しで済むため、高精度な加工が可能だ」(日進工具)。

MOLDINO2種類の新製品を発表。「エポック ディープラジアスエボリューションハード-TH3 EPDREH-TH3」は高硬度鋼加工用のラジアスエンドミル。工具寿命とワークの精度を高める同社独自の高硬度鋼加工用コーティング「TH3」を採用。「精密金型全般の直彫りや立壁・底面加工において、より高品位の仕上げ加工が可能。また、磨き時間の短縮など、生産性向上にも寄与する」(MOLDINO)。

ER(S)8WB-ATH」は、「立壁の仕上げ加工でゼロカットや補正などの修正工数を低減し、仕上げ加工時間を大幅に短縮する。また幅広い鋼種に対応可能なATHコーティングを採用しており、工具寿命にも優れる」(MOLDINO)。

測定・計測分野からはミツトヨが出展。5月に発売予定のCNC画像測定機「クイックビジョンPro」で、電子部品金型やEVモーターコアの模型の測定デモを行った。「様々な分野で活用いただいているが、非接触で測定が可能なため電子部品や半導体の測定に画像測定機は欠かせない」(ミツトヨ)。

同社のCNC画像測定機の主力シリーズをフルモデルチェンジ。全機種にストロボ照明を搭載し、新開発の画像測定機能ストロボスナップにより高速測定と高精度測定を両立。従来機比約40%スループットを向上させた。

「従来機は本体が止まり、振動がおさまるまで待っていたが、同機は本体が止まるか止まらないかレベルで測定でき、測定時間が大幅に短縮する。モーターコアの模型は5度ピッチで72カ所穴が開いているが、おおよそ30秒で測定できる」