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SHIZUOKA PRIDE/モノづくり県・静岡

世界に誇る技術力の源泉を探る

製造業における出荷額は全国3位。自動車、航空機などの輸送用機械器具出荷額約4兆円。自動車部品出荷額2兆6600億円、電気機械器具出荷額2兆800億円といずれも全国2位の規模と、日本を代表するモノづくりの一大拠点・静岡。本特集では多岐に渡る静岡県の製造業各社を訪ね、モノづくりにおける強さの源泉を探った。


静岡県は東京、大阪のちょうど中間点に位置しており、大消費地の名古屋からも近く東西を結ぶ主要幹線が走る立地環境にあることから、多様な産業集積がみられ「日本の縮図」、「産業のデパート」と称されてきた。

地域別には富士川と大井川を境にして東部・中部・西部の 3 つの地域に区分される。

東部の御殿場、裾野、三島、沼津地域には、首都圏からのアクセスが良く地下水を豊富に利用できることなどから、大手メーカーの工場が多数進出している。さらに富士地域は、豊富な水源をもとに製紙・化学工業が発達。パルプ・紙・紙加工品の出荷額は全国上位となっている。近年では医療・健康産業の集積が進み、医薬品や医療機器の出荷額は全国1位となっている。

静岡市を中心とする中部は行政の中心地である静岡市周辺で木材、家具、雛具などの地場産業に加えて、プラモデルや履物など特色ある産業が発達。太平洋に面する清水港は、県下最大の輸出入額を誇る国際貿易港として発展し、物流拠点が集積している。焼津港はまぐろ・かつおの漁獲量が全国トップクラスを誇り、これを利用した食品加工業も数多く進出している。

浜松市を中心とする県西部は、江戸時代から続く綿織物と製材業をルーツとした地場産業で栄え、戦後は繊維、輸送用機械、楽器の三大産業に加え、エレクトロニクスや生産用機械などの機械産業の集積が進み、わが国有数の工業地域を形成している。

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■工場、物流拠点の建設が増加

前述のとおり静岡県はさまざまな製造品出荷額等が全国上位の規模を誇るなど、「モノづくり県」として発展を遂げてきた。しかし、2008年のリーマンショックや、歴史的な円高を背景とした生産拠点の海外シフトの進行などにより、製造業の空洞化に拍車がかかった。

さらに東日本大震災以降、南海トラフ地震の発生リスクを鑑みたBCP対策の強化を意識した企業の県外移転の動きが進み、空洞化がさらに進む結果となっている。

しかし近年では、新東名高速道路開通による交通利便性の向上や、県による内陸部への企業誘致により、物流拠点や工場の建設が増加しており、年間工場立地件数は全国トップクラスとなっている。また、県内の拠点をマザー工場と位置付け、競争力の維持に向けた研究開発に関わる投資を活発化する動きも出はじめている。

行政によるモノづくり支援においては、静岡県が県内経済を持続的に発展させていくために、2014年に「静岡県産業成長戦略会議」を設置。独自の産業成長戦略を実施している。

この産業成長戦略は社会経済情勢の変化に対応して、毎年度見直しを行っており、2021年はウィズコロナ、アフターコロナ時代の地域主導型の経済政策「フジノミクス」を本格的に始動。医療機器開発支援やIoT推進ラボの整備、先端産業創出プロジェクトの支援などを積極的に行っている。

(2021年12月25日号掲載)