日本物流新聞

素材にこだわりぬいたペーパーホルダ

シリコン部には無数のスリットが

一級技能士が精度の高い加工を施す

マテリアル・細貝淳一社長

アルミ切削で金属の持つ「心地良い音」を追求

株式会社マテリアル/東京都大田区

「アルミ削り出しペーパーホルダ」

羽生結弦の連覇で幕を閉じたソチ五輪。そのトピックスとして「下町ボブスレー」が話題になったことを覚えているだろうか。結果的に五輪出場こそ叶わなかったものの、その実力を世に知らしめたプロジェクトを牽引したのが、株式会社マテリアルの細貝淳一社長だ。一見、失敗に終わったかに見える同プロジェクトだが、未だ続行中であり、本場ドイツの大会にて優勝を飾るなど、実力は折り紙つきだ。
「アイデアをカタチに出来てこその技術力」と語る、細貝社長率いるマテリアルは「勇気ある経営大賞」など数々の受賞暦を誇り、経産省の「地域未来牽引企業」にも選定されている。現在は防衛関連から半導体関連まで、幅広くビジネス向けの製品を受注しているという。

【一級技能士たちが製作を手掛ける】
そんな同社において、「面白いものを創りたい」という発想から生まれたのが、アルミ製のペーパーホルダだ。
一見シンプルな作りだが、そこには使い手を意識したこだわりが満載されている。ペーパーロールをセットするのは、芯を刺すだけときわめて簡単。セットも台部分に乗せるだけでいい。ロールはペーパーをセットするアルミ製の芯の自重で安定し、ズレは皆無。下部にセットされたシリコン製のパーツには細かいスリットがランダムに刻まれている。これがストッパーの役割を果たし、片手で引くだけで綺麗にカットできる。カットする際には「カチン」というアルミ特有の心地良い音が響き渡る。
長く、飽きずに使えて、なおかつ心地いい音を実現するために、素材選びから吟味。「もともと素材屋出身だから、材質にはとことんこだわる」という細貝社長。その素材を最大限に生かし、製品化するのが同社の誇る9人の「一級技能士」たち。磨き抜かれた技術を最大限に駆使して、こだわりの一品を創り上げる。

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