日本物流新聞

赤ちゃんの肌をやさしく守る

生地を糸の段階で先染めする

100年以上に渡って磨かれた技で生地を晒す

4代に渡り技を受け継ぐ武田清孝社長

敏感な赤ちゃんの肌を守りぬく

株式会社武田晒工場/大阪府堺市

「天使のころも」

大阪・堺市の伝統産業でもある「和晒」。晒しとは木綿や麻など、そのままでは染色や加工に適さない織物から不純物を除去し、漂白する工程。武田晒工場の初代・武田菊松が1911年、毛穴村(現在の堺市中区毛穴町)を流れる清流に着目、同地で晒し加工を始めた。以来、100年以上に渡り、脈々と受け継がれた技術は、4代目となる武田清孝社長によって、さらなる進化を遂げた。
武田社長は、大学卒業後に家電メーカーに就職。1989年に家業を継いでからは現場にコンピュータ等の設備を導入。さらなる製品の高品質化と安定供給を実現した。さらには、環境に配慮した晒し技術の開発に注力。ギリギリまで薬剤を減らしたところ、「真っ白にはならなかったが、染色する上では何ら問題が無かった」(武田社長)という。こうして誕生したのが「ECO晒」だ。
「ECO晒」を使って作られたベビー肌着「天使のころも」はさらに手間暇をかけている。素材は2重ガーゼを使用、その表生地のみを糸の段階で先染めし、肌が直接当たる部分には染料が触れないようになっている。また赤ちゃんの肌に負担をかけないよう、縫い目は全て表側に出すなどといった細かい配慮も施されている。
「和晒は洗えば洗うほど柔らかくなります。肌に優しく通気性、吸水性の高さも抜群です」と武田社長は自信を見せる。

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