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ワイエス工機 徳永 郁 社長

ニーズに応えた50年、重ねた信頼が今に

今年12月に創業50年を迎えるワイエス工機。足元では主力のコンターマシンの買い替え需要と改造案件が好調。特に非金属を切断したいという要望が増えているという。「テストカットは我々自身も勉強になるというか、楽しいんです」と徳永郁社長は朗らかに語る。特注やテストカットに果敢に応じた結果、多くのリピート需要も掴んだ。節目を機にコンターマシンのモデルチェンジも視野に入れる。

大阪どてらい市会場にて

――コンターマシンの改造案件が増えているとか。

「確かに増えていますね。元々、切断対象は金属中心でしたが、樹脂やカーボン、ガラスなど非金属が多くなってきました。ワークが変われば回転速度やクランプなど諸条件も変わるため改造が必要です。また安全基準も会社ごとに異なり、それに応じたカバーやスイッチ類などの改造要望も増えています」

――改造には柔軟に対応するスタンスですか。

「ええ。要望があれば営業が迅速に駆け付けます。WEB打ち合わせも増えており、いずれにしてもフットワーク軽く対応します。改造案件はお客様も『本当に切れるか』が心配。そこで不安を解消すべくテストカットも無償で実施します。テストカットは我々自身も勉強になるというか、楽しいんですよ。未知との遭遇ではありませんが、見たことのない素材や『どう固定するのか』と悩むような異形ワークとの出会いはワクワクします。現場や設計の腕の見せ所ですね。実際、何度も治具を作り直した案件もありました。当然赤字ですが、最後はお客様にも満足頂けた。おかげで改造案件のリピートや横展開も増えています。今後もニーズを柔軟にくみ取り、改造案件もしっかり取っていきます」

――コンターマシンはロングセラー商品です。

12月に創業50周年を迎えますが、創業時からコンターマシンは手がけていました。それらの機械が今、ちょうど買い替え時期を迎えています。つまり今は買い替え需要と、ユーザーの環境に合わせた改造案件が重なっている状況です。先輩方の撒いてくれた種を我々が収穫しているという感じですね」

――ウエルディングショーでは開先加工機が好評だったと聞きました。

「開先加工機は他機種と比べ出展の機会が少ないのですが、非常に好評でした。開先加工は未だに手作業の現場が多くあります。機械への置き換えで品質が安定しますし、我々の製品は旋盤と違いパイプ側を固定するので長尺物も対応できます。価格も競争力があります」

――50周年を迎えますが、今後の方針は。

「コンターマシンと言えば『お馴染みの機械』というイメージ。そこで、フルモデルチェンジを考えています。既存のイメージを少し変えたいなと。能力もですが、見た目や安全性を一段上に高めたり、あるいは柔軟に改造に対応できる仕組み作りなど様々な方向性を検討したい。先にも触れた通り、お客様の要望が多様化しています。我々もそれに追随したいですね」

(2024年6月10日号掲載)