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Opinion

(一社)Space Port Japan 代表理事(元JAXA宇宙飛行士) 山崎 直子 さん

ロボット共存が人にも優しい社会へ

「人とロボットの共存する社会を国家ビジョンに」

そう話すのは(一社)日本ロボット工業会(JARA)が10月13日、創立50周年を迎えたのに合わせて開いた「JARA創立50周年記念シンポジウム」に登壇した元JAXA宇宙飛行士で(一社)Space Port Japan代表理事の山崎直子さん。

学生時代はロボットの機械学習について研究し、2010年の国際宇宙ステーション滞在時にはロボットアームの操作を担当するなど、長年ロボットと関わってきた。

講演では宇宙空間でのロボット活用事例を山崎さんの体験話を交えながら紹介した。他にも、現在の地球上で問題となっている持続可能性や環境問題などの話題にも触れ、「現在の多様性を求める社会は人の性別や文化、国籍だけではなく、ロボットなどの技術との共存も含めたものとなっていくと考えます。阿吽の呼吸が通じない世界では、時々の判断基準を言語化・見える化し、お互いを認識することが大切です。現在、国内のDXGX化を拒んでいるのも、技術面だけでなく言語化・見える化が進んでいないこともあるかと思います。これまで曖昧にしてきた部分を可視化した、ロボットと共存する社会はきっと人にも優しい多様性を包含する社会であると思います」と話した。

加えて、シンガポールがガーデンシティを国家ビジョンに掲げ、自然・環境産業を呼び込んでいる例を上げ、「昔から漫画やアニメなどでロボットの共存を描いてきた日本だからこそ、『人とロボットが共存する社会』をビジョンに掲げ、世界に先駆けて技術や制度を整えていくことを期待したい」と、ロボットを軸とした社会変革に期待を寄せた。