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ウェルブレンド蒲田、社員寮がリノベで一変

シェア住宅+健康施設へ

都内で最多の約150もの商店街に、46件の銭湯がある大田区。その中心地の蒲田は、古くから飲み屋街や銭湯どころとして親しまれている。都内でも単身世帯率が53.6%と高い大田区の中でも、蒲田は特に単身者が多く暮らす地域。

4つの商店街があり、一人でも入りやすい小規模な居酒屋から大型の商業施設まで揃う上、東京駅や品川駅、羽田空港へもアクセスがしやすいことから、生活利便性が非常に高く昨今人気がさらに高まっている。

そんな蒲田駅から徒歩6分の物件をリノベーションし、パーソナルジムとサウナを併設したシェア住宅が「Well―Blend(ウェルブレンド)蒲田」だ。建物は通り沿いに建つ11階建て、築28年の元社員寮。社員の退去後の利活用について相談を受けたのが、全国でホテルや集合住宅のリノベーションを手掛けるリビタだ。

同社はコロナ禍での入居者のニーズの変化に対応した新しいシェアハウスを展開している。なかでも「ウェルブレンド」シリーズの物件は、住宅の中に住む以外の機能を盛り込んでいるのが特徴。「ウェルブレンド阿佐ヶ谷」ではワークスペースや食事の提供スペース、サウナなど働く人の生活を豊かにする設備が盛り込まれている。

今回、ウェルブレンド蒲田は、総戸数46戸の賃貸住宅+サブスクリプション型の健康施設にリノベーション。3階部分を共用ラウンジ、共用オープンキッチンとした。賃貸部分は寮の間取りを活用しつつ、内装、設備を更新。室内には洗面所、トイレ、風呂、洗濯機置き場が用意されている。

■日常的な健康維持のために

同物件のパーソナルジムとサウナを運営するのは、全国で17店舗を展開するRILISIST(リリシスト)。同社は過去にも別企業と組んで賃貸マンションに出展した実績を持つ。

パーソナルジムは月額定額で通い放題となっており、11で指導が受けられ、予約すれば毎日でも通える。またサウナは本格的なフィンランド式サウナで、最大で男性4名、女性6名が同時利用できる。こちらは予約不要で通い放題となっている。ジム、サウナいずれも入居者は通常価格より安く利用できる。また、入居申し込みと同時に加入するとさらに割安となるシステムとなっている。

単身用賃貸住宅に健康施設を併設した狙いについてリビタは「昨今の健康意識の高まりを受け、同じ建物内で気軽に利用できる環境を整えることで、日常的に健康を維持しやすい仕組みを作りました。蒲田は生活利便性の高さから、様々な文化や人が混じり合う街です。こうした町の魅力に加えて、人とゆるやかに交わることができる共用部、居住スペースを使い分けながら、健康的に『自分自身を深める暮らし』を過ごして頂けたら」とする。

住まいのなかに地域住民など入居者以外の人も使えるセミパブリックな場を設けて、違う属性の人が同じ空間のなかで「混ざる」ことにより、ゆるやかな繋がりと適度な距離感が持てる暮らしの提案。単身生活者にとっては心地よさを感じられるライフスタイルなのかもしれない。

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ジムスペース。オンラインで指導も受けられる(左)、サウナスペース(右)

2023825日号掲載)