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タカラスタンダード 代表取締役社長 渡辺 岳夫 氏 

リフォーム・戸建て減速傾向、ホーロー製品強化

「昨年度の売り上げは過去最高にすることができた。新築市場、リフォーム市場ともまずまず堅調だった背景があるが、業界(キッチン・バス工業会)を上回る水準で出荷を伸ばせた」とタカラスタンダードの渡辺岳夫社長は、売上高2274億円(前期比7.5%増)となった決算を静かに振り返った。

「要因としては、インクジェット印刷技術を活用したホーローなどをここ数年で開発するなどで商品力をアップしたこと。大都市圏でのリフォーム営業体制を強化した効果が出てきた。SNSの活用などプロモーションの刷新が奏功した」とし「昨年度はサプライチェーンの混乱も起こったが当社は安定供給を続けられたことが大きい」と分析する。

一方、営業利益は24.2%減となり「理由は資材・エネルギー価格高騰」とし「価格改定は進めているが、どうしても後手後手になってしまった」と話す。

今期の見通しは「リフォーム市場では巣ごもり需要は一巡し落ち着くだろう。新築市場は、マンションでは大型案件があるので昨年度並みを確保できるが戸建て住宅は新築着工の減少が続いている影響を受ける」と予測した。「今年度の売上は前年度比3.5%増の約80億円の増収との計画だが、値上げ効果によるものだ。営業利益は値上げ効果で22年度並みの140億円台に持っていける」とした。またホーロー製品の生産能力増強のため、福岡工場に400億円規模の設備投資を計画。27年度の本格稼働を目指すと発表した。 

(2023年511日開かれた20233月期決算発表より)