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北越工業 販売促進部 原 賀津雄 部長

「AIRMAN」が実現する工場内の省エネ「エア供給」

一般的な工場における電力消費の約3割を占めるのが、エア供給に関わるものだと言われている。すなわち、エア供給に欠かせないコンプレッサこそが製造現場におけるカーボンオフセットの大きなカギを握っていると言っても過言ではないだろう。産業機械、建設機械を製造、販売するメーカー・北越工業の原賀津雄部長に、同社の最新コンプレッサによる脱炭素提案を伺った。

――2022年の貴社コンプレッサ事業の動向をお教えください。

「現状、販売台数は昨年より若干良くなってはいますが、コロナ前の水準までは戻っておりません。調達面では部材が入手困難な状況が続いており、お客様が要望される納期に間に合わず苦慮しております」

――さまざまなコンプレッサを手がける貴社ですが、昨今顕著なユーザーニーズを教えてください。

「やはり脱炭素や省エネを強く意識されているお客様が非常に増えていると実感しています。以前はインバータ等の省エネ製品は、こちらから具体的なメリットを提示して初めて要望として上がってきましたが、昨今ではお客様の方からより省エネ効果の高い製品を進んでお求めになっていると感じます」

――そういった流れはいつ頃からでしょうか。

「コロナ前は、脱炭素や省エネニーズはまだ一部のお客様に限るという印象でしたが、ここ2~3年はお客様が真剣に脱炭素への取り組みを進めていることを実感しています」

――特にニーズの高まりが顕著な製品をお教えください。

「環境配慮といった点から、屋外設置型オイルフリースクリュコンプレッサ『SMAD』シリーズをお勧めしています。省エネ性能はもちろんですが、屋外設置により柔軟な設置レイアウトが可能となり、静穏性にも優れていますので様々な使用環境に対応できます。また、22~160㌔ワットまでのモデルをラインアップしていますので、幅広い分野のお客様からご採用頂けると考えています」

■従来機より消費電力を大幅削減

――貴社からも脱炭素につながる提案を行っているのでしょうか?

「実際に現場で電力測定を行い、既設の製品と比較してこれだけ消費電力が減らせます、といった提案と、当社の強みの一つである屋外設置型コンプレッサの導入メリットを提案しています。屋外仕様は様々な場所に置けるため、設備近くに設置することが可能です。そうすることにより、配管距離短縮による圧力損失の低減や、エア漏れリスクを最小限に抑えるなど、当社独自の脱炭素に最適なソリューション提案を行っています」

――貴社の現行製品は以前に比べてどれくらい省エネ性能が上がっているのでしょうか。

「機種にもよりますが高効率モータの採用と圧縮機本体の効率改善やインバータの採用により、当社従来機と比較して2~3割の消費電力削減も可能としています。

また、複数台のコンプレッサを導入する際に、1台をメイン機、2台目を予備機といった台数制御を加えることで、大幅な電気代の削減と機械稼働の効率化を実現しています」

――コンプレッサから発電機、高所作業車など様々なモノづくりを行っている貴社ですが、生産工場の脱炭素化にも注力されていますね。

「当社の新潟工場は、工作機械など主要な生産設備において、積極的に省エネ機器を導入するようにしています。また工場内で使用する電力の40%以上は、水力発電由来のものを購入しています。コスト的には割高となりますが、自らも脱炭素に貢献することで、お客様に対し説得力のあるご提案ができればと考えております」

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(2022年12月10日号掲載)