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高丸工業、ロボット活用を自ら実践

自動化装置部品を溶接するロボット

「若い社員の採用にもつながる」

 老舗ロボットSIer、高丸工業(兵庫県西宮市)が運営する教育施設「ロボットテクニカルセンター(RTC)」が盛況だ。コロナ禍の影響を受け5月までは振るわなかったが、RTC兵庫(西宮市)、RTC東京(東京都大田区)などでのロボット特別教育講習受講者数は6月から月100人以上を記録。 今年は715日までで563人と前年比6割の水準に達した(ピークは2019年の1203人)。
 同社は主に中小企業から自動化装置を年に6070台(ロボットベースで)受注。最近は受注が増加傾向にあり、RTCに四十数台保有するロボットのうち6台を使って自動化装置部品の溶断、研削、穴あけなどを行っている。主要顧客である中小製造業に提案してきたロボット活用を自ら実践するかたちだ。「一品一様の部品加工に実際に使ってみて、改めてロボットを使うべきだと確信できた」と高丸正社長は話す。ロボットを自社で活用して部品加工するSIerがつくったロボットシステムなら説得力を増しそうだ。今夏中に加工用ロボットを10台ほどに増やすという。
 ロボットの活用は人手不足をカバーすることに加え、入社して1年も経たない作業者でもきれいに加工できる利点もある。高丸社長は「大手ユーザーさんはとかくサイクルタイムをどれだけ縮められるかに目を向けがちだが、中小企業にとってロボット導入のメリットは新しい仕事の受注につながったりロボット溶接は格好いいと若い社員の採用につながったり病気・けがもなく辞めたりしないことにある」と言う。

2021725日号掲載)