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HCI、ワイヤーハーネスを自動製造

センサと制御で正確に把持

 ケーブル・ワイヤーを扱う自動化・ロボットを得意とするHCI(大阪府泉大津市)では、3年に渡る開発の完成版として、多芯ワイヤーハーネス自動製造型ロボット&AIシステム(=写真)を披露した。ボビンからケーブルを切り出して外皮を剥いた後、中にある数本の単線(芯)それぞれの端末加工(圧着端子カシメなど)を自動で正確に行える装置。同社が開発した従来システムでは内蔵ロボットは2台だったが、経路の見直しなどにより1台に減らし、スピードも従来の2倍の速さになった。
 さらに大きくシステムを進化させたのが、独自開発の「捌き・整線ユニット」だ。奥山剛旭社長によると「外乱による影響が大きいカメラではなく、センサと独自の制御によるユニットを採用したのが大きなポイント。芯と芯の間の距離を測定し、ロボットの経路を逐次補正することで、一本ずつ正確に把持できる」という。「手作業に比べてスピードはそれほど速くないが、正確さが好評だ。人手頼みだったラインを自動化できる」と自信を見せた。
 オプションの検査AIシステムでは3台のカメラを搭載し、360度のアングルから端末加工状態の良否を立体的に判断できる。
 把取りユニットを加え、VCTF0.150.3sq×3芯用にて、システム価格(税抜)は2000万円から。今年4月から発売予定。「ワイヤーハーネス加工関連会社など問い合わせは多数。初年度は年間10台の販売を目標にしたい」(奥山社長)。

2020125日号掲載)