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サンドビック、既存事業強化と買収で成長へ

サンドビック(株)

髙宮真一カンパニープレジデント

新拠点やCO2削減算出ツール活用

 サンドビック(コロマントカンパニー)は4月の第二週に切削工具の販売組織の総会をオンライン形式で実施。成長戦略や注力製品を明かした。
 髙宮真一カンパニープレジデントが成長の柱に挙げたのは既存事業の拡大と企業買収。「既存事業では航空宇宙産業や機械搭載事業をより強化する。ソリッド工具や自動車用アルミ加工製品、デジタル製品も強化し、旋削・フライス・ソリッド工具の新製品を投入し続け集中的なマーケティングを実行。市場シェアを獲得しながら超硬工具メーカーとして成長する」と言う。昨年第4四半期に独・esco社など3社を買収したことにも触れ「戦略的注力分野では積極的なM&Aで持続可能な会社への成長を加速する」と展望した。
 同社は今年の前半に名古屋に新拠点「サンドビックコロマントセンター」を稼働予定だ。同施設はトレーニングやテストカットのほか、5MCでのスカイビング提案やCAMを用いた改善アイデア提案に活用。「CAMを使える人材を増やし、工具だけでなく加工プログラムを含んだより価値の高い提案をする。我々のデジタルツールを習熟いただくための新たなトレーニングコースや、コロマントセンターの活用で他社にない顧客サービスを展開する」(流通部長 田中悟史氏)と力を込める。
 環境への取り組みも加速させる。そのために加工時のCO2排出量を高精度に算出する新たなツール「サステナビリティアナライザー」を投入。「CO2の排出削減効果を、各地域ごとの電力会社の炭素強度値に基づいた非常に高精度な数値で算出できる。改善後の数値の見える化で、サステナブルな社会を実現したい」(田中部長)と言う。
 注力製品として高い剛性と生産性を持つ突っ切り溝入れ工具「CoroCut2」や、切削抵抗が低く、突き出しが長い状況でも高い条件で加工できる高送りカッタ「CoroMill MS60」などを紹介した。

2024425日号掲載)