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山善、バイヤー招き東京・大田で商談会

昨年好評を博したくるみケットも新モデルが並んだ

節約志向強まる中、ユーザー目線の提案で差別化

 山善・家庭機器事業部(中山尚律事業部長)は519日までの4日間、「オリジナル家電総合商談会」を東京都大田区の東京流通センターで開いた。今期の冬商戦に向けて、冬物家電(電気暖房機器、電気毛布、こたつ)や調理・家事家電、AV機器などを並べた会場には、流通業などから96社・353人が訪れた。家庭機器事業部の入部康久副事業部長は「海外への出張などが増えていることに加え、都内のホテルがなかなか取れない状況であったため心配もあったが、昨年よりも多くの企業から来場していただいたことに大変うれしく思う」と述べ、商談会に並ぶ商品のポイントとして「節電」と「ユーザーの声を反映したモノづくり」を挙げた。
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恒例となった会場を斜めに横切る目抜き通り。左右には電気暖房機器と電気毛布を配した

 シーズヒーターからセラミックヒーター、カーボンヒーターなど幅広いラインナップを展開した電気暖房機器ゾーンでは、節電対策として従来通りの人感センサーや温度センサーを訴求した商品に加えて、エコボタンを搭載したフラッグシップモデルの電気ストーブが並んだ。運転を最適化することで最大出力時の消費電力を2割ほど抑えられるという。また、これまでの「より暖かく」「より大風量」を追求したモデルだけでなく、ワット数を下げたモデルの復刻や浴室・トイレ向け、卓上用など、実際の使用シーンや用途から逆算した必要十分な製品が目立った。そうした動きに関して、商品企画1部の川邊一馬課長は「実際に製品を使われているお客様の声をできる限り反映したモノづくりをしたいと考えた」と説明。
 ユーザーの声を反映したモノづくりで数多くのヒット商品がある調理家電では、「お手入れのしやすさを追求した」(商品企画1部・近藤富昭MD)というオーブントースターや減煙焼肉グリル「Xグリル」シリーズなどを提案。オーブンレンジに次ぐ大きなマーケットである炊飯器に関しても、マイコン式からIH式、お一人様から家族向けまでラインナップを揃えることで、「ナショナルブランドの製品価格が高騰している今、充実したラインナップでしっかりと市場を取りに行きたい」(近藤MD)と意気込みを語った。

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炊き分けコースが豊富なマイコン式炊飯器。手前が5.5合モデル

■火災・アニサキス対策も

 仕入先・メーカーからも今をとらえた提案が多数見られた。新コスモス電機は一酸化炭素検知機能付き火災警報器を提案。2011年に設置が義務化された火災警報器だが、その製品寿命は約10年。更新需要に対し一酸化炭素検知機能の付いたモデルへの切り替えを勧める。火災警報器は7割ほどまで普及したが、火災による死者数には変化がない理由の一つが、一酸化炭素中毒によるものであるからだ。同製品は高感度の一酸化炭素検知機能に加え、住宅用防災警報器検定と(一財)日本ガス機器検査協会検定に合格している唯一の製品であり、信頼性が大きな特徴。
 山田電器工業が推すのがHapyson(ハピソン)ブランドの津本式アニサキスライトだ。「究極の血抜き」考案者の津本光弘氏とのコラボ商品で、アニサキスをクリアに映し出すため、光の波長を調整し、レンズの透過性も高めた。完全防水(IPX7)のため、洗いながら使うことも可能。従来のブラックライトよりも光量が多いので、明るい場所でもアニサキスを見つけ出すことができる。

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新コスモス電機の一酸化炭素も検知する火災警報器

2023610日号掲載)