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【働き方改革】大東精機、社内に本格ジムを設置

「健康休憩」も取れる職場環境

本格的な設備を備えた「DAITO GYM-CLUB」

鋼材加工機の総合メーカー・大東精機。同社はかねてより社員が心身ともに健康で充実した日々が送れるように、と健康経営を実践。経済産業省が制定する、特に優良な健康経営を実践している法人を認定する制度「健康経営優良法人」にも認定されている。そんな同社の取り組みについて探ってみた。


60年以上に渡り鋼材加工機、特にバンドソーにおいて国内トップシェアを誇る大東精機。40代以上社員の人間ドッグ受診やインフルエンザ予防接種の全額会社負担など、従業員の健康促進に積極的な取り組みを行っている。

そんな同社が「社員が心身ともに健康で充実した日々を送って欲しい」という思いを込めて設置したのが「DAITO GYM-CLUB」なる社内ジムだ。かつて書庫として使用していたスペースをリノベーションし、実際のジムインストラクターが監修した最新のエクササイズマシーンがズラリと並ぶ光景は、もはや会社の一角とは思えない、まんま「ジム」だ。

ジム設置は同社・杉本真一社長が近所のジムに通っていたことに端を発する。会社からの帰宅途中にジムに寄る都度、利便性の悪さを感じていたのがきっかけだったという。「仕事とは無関係の施設を自分の好みで作るのは不謹慎ではないか」と感じていたそうだが、社員の健康増進や福利厚生にもつながると思いを改めて設置したところ、これが大好評だった。

同社PR室の岡西計太マネージャーは、自身も社内ジム設置を契機にトレーニングを開始したという。

「ジムは朝6時から夜22時までオープンしており、休日でも自由に入れますし、就業中にジムを利用できる『健康休憩』は、だいたい『朝組』と『夜組』に利用者が分かれているのですが、朝昼晩と利用しているヘビーユーザーもいます」

こう話す岡西マネージャーは「朝組」のひとり。始業前に運動することで、就業中につらくなったりしないか尋ねると「私はデスクワークですので、日中カラダを動かす機会が少ないのでいい運動になっています。毎朝、ジムでのトレーニングが一日を過ごす活力になっています」と話す。

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就業中の健康休憩も可能

■ジムが就職の決め手に

DAITO GYM CLUB」は社員なら誰でも会員になれる。現在、尼崎市の本社・工場に勤務する約100名中、70人以上が会員として日々トレーニングに励んでいるという。だが、トレーニング器具はあるがジムと違ってインストラクターがいるわけではない。

最近は動画でトレーニング方法をいろいろ見れますし、器具にはイラスト入りで使用方法も記載されていますので、皆さん戸惑わずにトレーニングされています」(岡西マネージャー)。

これまでは女性社員の利用者が少なかったという。しかし、本格的な筋トレ器具だけではなくストレッチなどもできるスペースを設置、また外部からインストラクターを招聘し、女性向けのトレーニング講習会を開くなどの施策を行っており、昨今では定期的に利用を続ける女性社員も増えているという。

また、こうした設備はリクルートにも一役買っている。「内定を出した方が入社する際に『なぜウチを選んでくれたのか』と聞いたところ、『ジムがあるから』と言われたケースがいくつかあります」(岡西マネージャー)

今年に入り、オフィスもリノベーション。部門によってはフリーアドレス化とし、明るく開放的な仕事環境を構築するなど、社員の働きやすさを徹底的に追求している同社。「終身雇用」が当たり前では無くなりつつある昨今ではあるが、長く居心地のよい、モチベーション維持できる職場環境なら定着率もきっと上がることだろう。

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オフィス内も働きやすさを追求

(2022年10月10日号掲載)