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ファザーマシン2/Chapter15

再転職で交際中彼女が号泣

あけましておめでとうございます。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。本年も動画もこの連載も頑張っていきますので、引き続き宜しくお願い致します。

愛知に旅立つ前に彼女(現在の妻)と食べたピザです(笑)

今回は、とんこつ再転職?をお送りします!

ケロさんは、前の職場を退職し離れ離れになった後、愛知県の小さな会社に勤めました。その会社のSNSでは、ケロさんが以前より楽しそうに働いている姿が映っており小さい会社ながらも、一つの目標に向かって団結している様子が垣間見えました。

こんな会社で働けたら楽しいだろうな、と自分の今の環境と比べて羨ましく思っていました。そして、ケロさんとの愚痴電話から数日後、会社見学兼面接の日時が決まりました。

車で片道約3時間の道のりは、父と仕事の話をしながらだったことを今でも覚えています。会社に到着すると、周囲には田んぼや畑が広がっており、田舎にぽつんと佇む町工場といった印象でした。工場地帯から離れたそののどかな風景はとても新鮮に感じられました。

従業員は10人くらいで、マシニングセンタでの加工がメインの加工屋さん。各従業員に一台ずつパソコンが割り当てられており、CAD/CAMを駆使した高度な加工を行っていました。

社長自身もエンジニアとしての経験があり、加工に関する知識も豊富。従業員たちが和気藹々と協力しながら働く様子を目の当たりにして、すぐにでもこの会社で働きたいと思いました。

私はマシニングの経験はほぼありませんでしたが、普通旋盤ができたこと、手研ぎができたこと、何よりケロさんの紹介だったことを大きく買っていただき、その日のうちに働かせていただけることが決まりました。

■別れ話と勘違い

兵庫へと帰る車の中では、嬉しさの他に大きな不安がありました。それは、交際して約2年となる彼女(現在の妻)の存在です。同棲は考えていなかったので、最悪の事態も想定しつつ直接会って話をすることにしました。

後日、大事な話があると彼女(現在の妻)を呼び出し、「オレ、名古屋に行こうと思うんだ」と、私が言う前に彼女が泣き崩れてしまいました。どうやらフラれると思っていたらしいです(笑)。

確かに付き合っている相手から「大事な話がある」と呼び出されたとなると、ゴールインか破局か、いずれかを想像しますよね。それを切り出される前の緊張感は当事者にしか分かりませんが、彼女には相当の心理的プレッシャーがかかっていたのかもしれません。

若かりし頃の私ははそんなこともつゆ知らず、想定外の事態にあたふたするばかり。しばらくして彼女が落ち着きを取り戻してから、今の会社の事情や見てきた会社のことなど、いろいろ話をしてなんとか事なきを得ました。

さすがにこんなペーペーの状態で「オレに付いて来い」とは言えませんので、その時はゴールインの話でハッピーエンドとはなりませんでした。

続いては勤め先です。こんな私を雇って育ててくれたことに感謝はしつつも、それなりにブラックなところをいくつか見てきたので、退職する意向を伝えました。

立つ鳥跡を濁さずの精神で潔く去るつもりでしたが、いろいろあって労働基準監督署に行く羽目になった話はここでは止めておきます(笑)。

たった半年という短い期間で、本当はまだまだ学べることもあったとは思いますが、思い立ったら即行動してしまう性格と、楽しそうな方に行きたくなる性格のため、自分勝手な決断をしてしまいました。でも、そんな自分も好きだし、後悔はありません。

人生は一度きり、それに思っている以上に短いのです。次回、いざ、名古屋へ!編。お楽しみに~(名古屋じゃないけど名古屋って言いたい!)。

2024110日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.1万人(2024年1月10日現在)