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ファザーマシン2/Chapter16

着実にスキルアップしていたケロさん

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、"名古屋進出編"をお送りします!

2013年5月、名古屋へ移り住むことになったわけですが、一人暮らしを始めた18歳の頃とは違い、新しい環境に上手く馴染めるかという不安は一切ありません。むしろ早く仕事を覚えたい!会社の役に立ちたい!と息巻いていました。

何故なら、そう思わせてくれる社長だったからです。兵庫から名古屋へと引っ越すに辺り、わざわざ家を用意してもらいました。しかも程よいアパートがなかったとのことで広めの2LDK! あまりに広くてギターとアンプだけを置いた音楽室を作ったこともあります(笑)。

当時の「音楽室」です(笑)

この頃は、業界の知識も少なく旋盤しか出来ない人材でしたが、将来に期待してもらい、好待遇で新生活をスタートすることができました。

名古屋に来て、まずビックリしたことと言えば、やはり食文化です。ある日、私は名古屋駅の売店でカツサンドを購入しました。座席に座り、カツサンドを一口かじると何か違和感がその違和感の正体は味噌です!

別に味噌が嫌いなわけではありませんが、カツサンドには、いや、カツには「ソース」でしょ! と、関西出身の私は思いました。あと、どこのスーパーに行ってもチューブの味噌が売ってます。

さて、肝心の仕事はというと、私以外は忙しいという状況です。自動車、バイク、航空機、医療、船舶など、幅広い産業の仕事が愛知には集まりますが、私は普通旋盤しかできないので、とりあえずNC旋盤の脱着から始めました。

段取りはケロさんが行ったもので、以前の職場のような手打ちのプログラミングではなく、2DCAMを使って段取りを行っていました。以前の職場では、私もケロさんも手打ちが精一杯だったのにも関わらず、たった半年でNC旋盤用の2DCAMとマシニング用3DCAMを使いこなしていたのは衝撃でした。

■置かれた環境で差がつく

そんな中、NC旋盤の脱着をしつつ、参考書でCAD/CAMの勉強も開始。パソコンはそこそこ得意な方ですが、訓練校時代は普通旋盤至上主義でしたので、この会社では、そのこだわりをぶっ壊すところからスタートしました。

先輩方がCAD/CAMを駆使してどれだけ利益を出しているかを、社長から聞いていたので、くだらない思想は瞬時に破壊できました。しかも、以前は苦手だったGコードも、CAMを使うことでまるでゲームのように感じ、仕事に活かすことができました。気がつけば、苦手意識を完全に克服していたのです!

ここで大事なのは「環境の重要性」です。私とケロさんとでは基礎知識や経験は異なるものの、ケロさんは新しい技術を身につけ、私は既存のスキルを磨きましたが、結果的にできる仕事に大きな差が生まれました。

CAD/CAMが当たり前になりつつある現代、時間と人材も限られている中で、自分がどの道に進むべきかを俯瞰して考える必要があると思います。ちなみに当時からこのようなことを考えていたわけではありません。今、文章化して初めて気づきました(笑)。

次回は、はじめてのマシニング編です。お楽しみに~

2024125日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.1万人(2024年1月10日現在)