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扉の先73/「何から始めたらいいか」に応える

FAプロダクツ、DX&自動化「最適化パッケージ」提供

業種・業態を問わず多くの企業がDXに関心を寄せる中、順風満帆にDXを推し進めているといえる企業は決して多くはない。また中小企業においては「何から手を付けたら良いか分からない」、「費用対効果が不明瞭」という声も多く聞かれる。

マルチ組立ロボットモジュール

とはいえ、いまDXを推し進めなければ、市場競争力の向上や慢性的な人手不足への対応といったモノづくり企業が抱える課題に対処できなくなる。こうした現場に対して、部分最適のDXを提案するのが、FAプロダクツの「DXモジュール」だ。

同社の貴田義和社長が話す。

「当社も参画しているロボットSIer主導のコンソーシアム『チームクロスFA』では、これまで多くの製造現場の自動化、DX化を実現してきました。そのノウハウの数々を、製造現場が抱える課題に合わせたパッケージとして提供するのがDXモジュールです」

DXモジュールは、「システムモジュールパッケージ」と「ロボットモジュールパッケージ」に大別される。前者は稼働分析、人員配置最適化、生産管理などのデジタルソリューションが中心となる。

「従来のデジタルソリューションはデータ収集をメインとした『見える化』がメインでしたが、システムモジュールパッケージは、単なる見える化だけに留まらず、その活用と投資対効果の明確化も実現する『見える化のその先』を提供します。パッケージはこれまで当社が数々のお客様のDXを推進してきたなかから、特に多かった課題を抽出したものになります」

また昨今のエネルギー高騰やサプライチェーン全体での脱炭素化への取り組みを支援するパッケージも用意した。

「製造業の脱炭素化において、製品個々のCO2排出量の把握は必須です。カーボンフットプリントパッケージは工場全体だけではなく、工程・設備・作業ごとのデータを取得。製品1個あたりのCO2排出量を算出可能です。加えて、生産設備におけるCO2排出削減ポイントを見極めることも可能です」

■変種変量生産に対応

「ロボットモジュールパッケージ」には、ピッキングや外観検査、ツール自動交換、デバンニングなど製造現場固有の自動化需要を睨んだシリーズが用意されている。だが、これらのロボットは従来のロボットパッケージとは一線を画している。

「これまでロボットは、決められた動きが求められる大量生産に用いられ、頻繁に段取り替えが起こったり、状況や環境に応じた動きが臨機応変に求められたりする変種変量生産に向かないとされてきました。しかし、当社が提案するロボットモジュールはAIやセンサ、ロボットを目的に合わせて最適に組み合わせ、変種変量生産に対応できるシステムに仕上げています」

そのなかのひとつ、「マルチ組立ロボットモジュール」は、生産品に合わせて、組立に必要なハンドをロボット自らチェンジし、付随するカメラと連動し多品種の組立自動化を実現する。

「モジュールの導入によって、人手不足への対応はもちろん、製造装置の汎用化や工程集約による省スペース化、段取り時間の短縮、常時稼働による生産性の向上が図れます。またパッケージはロボットに詳しくない方でも簡単にティーチングできるようにしています」

「マルチ機能検査ロボットモジュール」は、デンソー製の「DX-CELL」を活用した工程集約型のセル装置。ロボット自体がハンドを付け替え、カメラを駆使しながら自動で様々な機能検査を行う。

「検査工程は単純作業のため定着率が低いなど人材面の課題が多い現場。また併せて行われるリペア作業は油のふき取り、治具のセットなど作業手順が煩雑で自動化も困難と思われがちです。これらの課題を一気に解決できるパッケージとなっています」

2023325日号掲載)