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牧野フライス精機 営業部 営業サポート課 リーダ 好﨑 惟史 氏

前・後工程含め工具研削をトータル提案

主力の工具研削盤のほか砥石プリセッタや検査装置、ソフトも揃える牧野フライス精機。Grinding Technology Japan(GTJ)には第1回からフル出場だ。インプロセスで加工物を自動測定・補正する内蔵型マイクロビジョンシステムが同社の目玉になりそうだ。

――GTJへの出展は今回で3回目になります。これまでどんなアピールをされましたか。

「研削加工の専門展示会ということで、実際に研削作業に従事し、課題を抱えて来場するお客様が多く、機械の前で当社技術員や営業と機械や加工技術、ソフトウェアに関して質疑応答している姿がとても印象的です。当社はメインの工具研削盤のほかにその前加工機にあたり、工具に段差をつける円筒加工機(同社では『段研』と呼ぶ)、加工した工具の測定機も開発しています。つまり前工程、後工程を含め工具研削に関わる加工をトータルで提案してきました。GTJは研削専門展なのでマニアックな展示もしました。たとえば第2回では測定機の中で使う自社製チャックの汎用性を示しました。通常は径とコレットの寸法は11に対応しますが、3~6㍉、6~12㍉と幅広い径を高精度にチャッキングできます。これにより段取り性があがります」

――今回のご出展内容は。

1番の目玉は内蔵型マイクロビジョンシステム『monocam2』を搭載した工具研削盤『AGE30FX』になります。同じく工具研削盤『MG30』に大ロットのロボットローダーを搭載します。AGE30FXは砥石交換とローダーを標準で内蔵し、MG30はそれらをオプションにしています。お客様の目的に合わせて選んで搭載していただけます。昨秋のJIMTOFでも紹介したmonocam2は、インプロセスで加工物を自動測定・補正するもので世界初と自負しています。このほか段研『TAD』(立形円筒研削盤)、簡易型工具検査装置『pomMZmicro』、加工前に投影で測定する砥石プリセッタ『PMZ-2』も出展します。以上の5台になりますが、内容としてはTADAGE30FXが紐づき、PMZ-2MG30pomMZmicroが紐づき、一連の流れで紹介します。実際に工具研削を行っていらっしゃる方もたくさん来られますので、作業の流れを見て商品の特長を実感していただければと思います」

6面GrindingTechnology(2)インタビュー牧野フライス精機P2内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2.jpg

内蔵型マイクロビジョンシステム「monocam2」を搭載した工具研削盤「AGE30FX

――ご出展の最大の狙いは。

「今回紹介するmonocam2は測定できる項目がドリルのオイルホールの位相、底刃の幅などの10点ほど。これはJIMTOFでもご覧いただきましたので今回はさらに測定項目を増やし、工具を横から見られるようにしました。側面からどんなことが測定できるのかについては展示会場でぜひご覧ください。自動化のもう1つの例としてロボットローダーをMG30に付けて出展しますが、ロボットローダーの自動ティーチング機能を今回初めて実装して実演します。このローダーにはパレットを最大12枚搭載できますが、違うパレットを搭載する際にはたくさんある穴の位置をあらかじめロボットに教える必要があります。そこでロボットにスタイラスを付けて自動で位置を検出します。直動ローダーにはあった機能ですが、ロボットローダーでは当社初の提案になります」

――いま最もアピールしたいことは。

1番アピールしたいmonocam2に加え、スケジューリングソフトの新版『Schedule Manager-Spec.T』を初出展します。たとえば複数のパレットがあって、最初の1パレット目はボールエンドミルを、2パレット目はドリルをつくりたいという場合、ソフト上でプログラムをパレットと紐づけます。新しい丸棒をたくさん並べて連続して研削するためのソフトでしたが、今回はどちらかと言うと再研削をしたいお客様向けに改良したバージョン。新しいドリルは長く、使い込んだものだと短い。これまでは長さの調整ができませんでしたが、長さを自動で検出して長過ぎる場合にはロボットが適度な長さになるようチャックに差し込んでくれる。長さがまちまちな工具を連続して再研削するのに向きます」

(2023年2月25日号掲載)