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オーエッチ工業 取締役 林 敬二 開発部長

手元見ずに片手でスピード脱着
高所作業に最適化した「足場屋ハンマー」

「ここ数年の新製品のなかでダントツの売上げ」というオーエッチ工業の「足場屋ハンマー」。発売から2年半が経った今も変わらず売れ行きは好調だという。

高所作業向けの足場屋ハンマーの大きな特長は、手元を見ずに腰のカラビナにハンマーの脱着が可能な点。ハンマーのヘッド本体に掛け穴があるため、ヘッド上部に突起物がなくスミまで叩くことができるなど、作業性を高めて大きな支持を得た。

発売当初から好調な売上げが続いている足場屋ハンマーを開発した取締役林敬二開発部長

掛け穴周辺はすり鉢形状となっており、これがガイドとなりフック先端が穴に向かって滑る。手元を見ずに、片手でカンタンに脱着できるこの形状にたどり着くまでの道のりは長かった。

23年の開発期間のほとんどはヘッド形状の設計に費やしました。強度を持たせながらどんな種類のカラビナでもすっと脱着できる形状はどういうものか。3回は挫折しましたよ」と開発者の取締役林敬二開発部長は穏やかに振り返る。

掛け穴からカラビナのレバーを押し込んで抜く際、ハンマーがカラビナに引っ掛かってしまう。レバーに押し込む力点と支点のバランスや凹み部分の落差、カラビナの寸法など制約が多かった。「3Dプリンターでいろんな形を試し、トライ&エラーを重ねました。掛け穴付近をすり鉢形状にするアイデアはお風呂の中でひらめき、それが最終形状となりました」(林開発部長)

他にも、柄尻に安全ロープ等を掛けられるステンレス製のリングを付けるなど、より耐久性を持たせた。「こういったところも安全面が重視される高所作業で支持されている点だと感じます」と林開発部長は話す。

頭重量が0.6㌔グラムと0.9㌔グラムタイプの2タイプがあるが、人気があるのは0.6㌔グラムタイプという。「職業柄、腰痛でお悩みの職人さんが多く、軽量タイプで負担軽減したいという声が強いです」(林開発部長)

今後はワンサイズ軽量化した045㌔グラムタイプや、静音が求められる現場向けにヘッドの片方を樹脂素材にしたハンマーなど、バリエーションを増やすことも視野に入れている。
オーエッチ工業_カタログ画像_元.jpg

片手でカラビナから簡単に外せる高所作業向け足場屋ハンマー

20231125日号掲載)