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北越工業 販売促進部 原 賀津雄 部長

【AIRMAN導入事例】ランニングコスト削減に貢献

いずれの生産現場においても大きな影響を及ぼしている電気代の上昇。来年はさらなる電気代の上昇も見込まれているなか、コンプレッサの置き換えや最適稼働コントロールによる省エネ提案を行っているのが北越工業。同社製品の直近の販売動向からコンプレッサ導入事例までを、販売促進部の原賀津雄部長に訊いた。

――足元の事業環境についてお聞かせください。

「昨年あたりからの北米向け発電機ニーズの伸長により、海外部門が売上げを牽引しております。一方、国内需要は一定の更新需要はあるものの、前年比において微増の状況が続いている印象です」

――北米向けの発電機ですが、シビアな環境性能が求められると聞きます。

「北米ではTier4という日本国内より更に厳しい排出ガス規制があり、そうした環境規制にもしっかり対応した製品を輸出しています」

――環境性能に加えて、昨今では省エネ性能も求められているかと。

「近年、温室効果ガス排出の削減という世界的なニーズが高まっています。しかし、窒素酸化物(NOx)などの抑制により環境負荷を低減させる排出ガス規制においては、必ずしもそれが温室効果ガス削減となる燃費改善に繋がるとは限りません。これらを両立させることはかなり高いハードルとなりますが、当社では引き続き製品のブラッシュアップを進めるとともに、脱炭素化へと繋ぐバイオ燃料や水素など、次世代の燃料を活用した機種開発を進めて参ります」

――国内向けは一定の更新需要があるとのことですが、どういったニーズが。

「工場向けコンプレッサは、インバータを搭載したモデルが販売の中心になっています。工場で使用される電力の20~30%はコンプレッサによる消費と言われておりますので、インバータ製品に更新することにより、ランニングコストを大幅に削減することができます。また、補助金制度等への活用も、省エネ機導入の大きな契機となっております」

■台数制御で省エネ・省スペース実現

――省エネ機への更新により、どのような効果が見込めるのでしょうか。

「仮に、37㌔ワットの従来型コンプレッサから、高効率ASロータを搭載したインバータモデルに入れ替えると想定した際、条件によっては年間約376万円かかっていた電気代が半額に近いところまで下げることが可能となる場合もあり、その際のCO2排出量は年間約45㌧削減できる試算となります」

――インバータモデルへの置き換えは、複数台コンプレッサを使うような現場にはさらに節電効果が見込めそうですね。

「当社では、複数のコンプレッサを配線接続するだけで台数制御を可能とするオプションがあります。台数制御盤が不要なうえ、最大4台までの制御が可能であり、消費空気量の変化に応じた最適な運転を自動的にコントロールします」

――台数制御を行うことで電気代削減の他、どのような効果が見込まれるのでしょうか。

「台数制御は省エネ効果だけではなく、コンプレッサの負荷を適度に分担させ運転時間を均一化することにより、各機械の安定したコンディションの維持と定期的な整備計画を実現できます」

――直近では中小の現場に向けた小型の屋外仕様コンプレッサを上市されています。

7.5㌔ワット『SMS8EVD』は、当社が扱っている中で最も小型の屋外設置型インバータ仕様のコンプレッサになります。省エネ性能だけではなく静穏性にも優れていますので、コンプレッサの屋外設置に抵抗があったお客様にも高い評価を頂いています」

sms8evd.jpg

屋外用7.5kWインバータコンプレッサ「SMS8EVD

(2023年12月10日号掲載)