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山善が東京・大田でハードウエアショー

新ブランド「RELAMOVE(リラムーブ)」ブース。家具の動きを体験できるようになっていた。

高付加価値商品の提案加速

 山善の家庭機器事業部(中山尚律事業部長)は7月28日までの4日間、主に今年の秋から冬にかけて発売するインテリア、エクステリア、レジャー、工具、園芸、防災商品を集めた内覧会「YAMAZENハードウエアショー」を東京都大田区の大田区産業プラザPiOで開いた。会場には流通業などから85社・332人が来場。新型肺炎の流行が心配されるなか開催された昨年(63社・273人)よりも一段と大きな賑わいを見せた。
 会場では今年の一大注目トレンドとなっている「節約」「節電」といったキーワードを押さえつつ、近年取り組みを強化している「問題解決型商品」の提案が多くみられた。入口正面のインテリアコーナーには6月に東京ビッグサイトで開催の展示会で注目を集めた、電動家具とUSBコンセント付家具の新ブランド「RELAMOVE(リラムーブ)」のブースを移設。家庭機器事業部・商品企画2部の山川圭一副部長は「リラムーブは『カタチを変えくらしにくつろぎを』をコンセプトとしており、家具に人が体や生活を合わせるのではなく、家具が人に合わせて姿を変えることで暮らしを豊かにしたい」とブランドを説明。入部康久副事業部長は「インテリアライフスタイル2023では住宅展示場の内装を手掛ける企業など、新たな業界の方からも興味を持っていただけた。今年のテーマともなっている新しい商品を新しい切り口で提案していく試みが実を結びつつある」と期待を示した。

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マーケットの厳しさがささやかれる今期でも売れているのが、累計95万台販売のバスケットトローリーシリーズの隙間トローリー。今年2月に販売して以降、一時は売り切れになるほどのヒット商品。商品企画2部の片山知恵さんは「狭い日本の住宅の中で、常に課題となる収納スペースの確保を押さえた商品」とヒットの理由を分析。

 アウトドア関連ゾーンでは「CAMPERS COLLECTION」シリーズのテントやサンシェードが並んだが、商品企画4部の安栗正和リーダーがイチ押しとしたのが保冷剤「ICE IMPACT」。一般的な強保冷タイプの保冷剤よりもすぐに凍り、持続性もいいのが特長。安栗リーダーは「アウトドアシーンなど過酷な環境で使われる強保冷タイプの保冷剤は凍らせるのに12時間から24時間かかり使い勝手が悪かった。本製品は約2・5時間で凍結可能なため、日常的に使うのに適している。また、持続温度を従来品と異なる設定にすることで、0度以下の温度持続時間を従来品よりも約2時間長い約5・5時間にできた」と説明。会場では300㍉リットルタイプを展示したが、大容量タイプなどにも対応できるという。

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保冷剤「ICE IMPACT」。口部から300㍉リットルの水を入れ、付属のシリコンキャップで内蓋をし、キャップを閉めれば、商品本体が破れるなどしない限り半永久的に使用できるという。

■BtoB向け対応製品も

 仕入れ先・メーカーからは、家庭機器事業部が強化するBtoBに向けに提案できる製品が目立った。ポータブル充電器などを手掛けるBigBlueはポータブル太陽光パネルを提案。近年、ポータブル充電器と組合せたアウトドア・防災用品として注目を集めており、「HybridSolar 300」は持ち運びだけでなく、据え置き型のソーラーパネルと同等の耐久性を持つ製品。宮崎徹二統括部長は「ポータブルの太陽光パネルは基盤がむき出しになっているものが多く、耐久性に難があった。基盤の上に薄くガラスを張ることで、過酷な屋外環境でも据え置けるだけの耐久性を備えているため、事務所などへの太陽光パネル設置を容易にする」と説明。

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BigBlueの太陽光パネル「HybridSolar 300」。ポータブルと据え置きどちらにも対応することから、「Hybrid」と名前を付けた。

 ナガショウが製造する機能性漆喰「IONSilica(イオンシリカ)」は、森林環境と同等クラスのマイナスイオン(約700個)を発生させる塗壁材。森林浴と同じ様なリラックス効果が見込めることから、店舗や事務所などでも採用が増えている。また、宮崎統括部長は「通常の漆喰は石灰岩を焼成して製造するため、製造過程でCO2を排出するのに対し、本製品は独自の成分を使用しているため製造過程においてCO2を排出しない。カーボンニュートラルの観点においても企業からの注目度が高い」とメリットを話した。

(2023年8月10日号掲載)