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ZOLLER Japan、工具検査をロボットで

ZOLLER Japan(株)

洗浄、刻印も自動化

 ZOLLER Japanは、切削工具の自動測定が可能なロボットパッケージ「roboset2」の提案を強化する。今夏に外観のデザインを一新した新型機が世界同時発売されたことを契機に、ロボットのティーチングから検査プログラムの作成、動作確認までシステムインテグレータを介さずに担当できる強みをオンラインなどで改めてアピールする。
 直径3~20㍉、最長230㍉の円筒軸付き工具を測定する。寸法などの検査項目とプログラムは顧客の要望に応じて作成。切削工具をパレットに並べた後、タッチパネルから測定したいパレットのエリアを選択するだけで入力が完了する。測定結果の可否も自動で判断。合格品は装置内で品番が刻印される仕組みで、測定データはパソコンからリアルタイムで確認できる。
 前工程にあたるエアブローや超音波洗浄も自動化した。装置内の多関節ロボット(最大可搬重量7㌔グラム)に、同時に2枚のパレットを払い出しできるダブルグリッパーを備えることで、パレット、測定機間の搬送効率を高めた。パレットのストッカは2段構成。最大8枚を保管でき、パレット上に径や刃数などが異なる工具が混在しても測定できるという。
 前後工程も含めて人海戦術に頼りがちな測定工程を自動化することで、品質と生産性の安定化、中長期的なコスト削減を提案する。参考価格は約5千万円。すでに国内の大手切削工具メーカーに数台納入している。
 龍口一社長は、「体力と集中力には限界があるし、負担も大きい。生産ラインの自動化が進む今、測定がボトルネックになりかねない。工場の移転などで、人手が確保できないこともある。roboset2なら、パレットに工具を並べて、検査が終わったら梱包するだけ。24時間自動化すれば生産性が数倍になり、測定機も1台に集約できる」と話していた。

(2020年9月25日号掲載)