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Thinker、カメラレスのロボットハンド

ばら積み部品をまさぐって掴む

 大阪大学発のベンチャーThinker20228月設立、大阪市)は1120日、国際ロボット展に出品する、カメラ不要のロボットハンド「Think Hand F」のアルファ版(量産を見据えた開発フェーズ)をひと足早く報道陣に公開した。このハンドは赤外線とAIを組み合わせた高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触で把握する。
 ネジがいっぱいに詰まった箱から、カメラレスで「指先」でまさぐりながら1本ずつピッキングできることを実演して見せた。赤外線を利用することで産業用ロボットでは難しいとされる鏡面・透明物の取扱いも可能。藤本弘道社長CEOは「まだ高価なカメラは遠くから捉えるため精度上の問題もある」と話す。ばら積みの機械部品をまさぐりながら掴むのは業界初で、中野基輝CTOは「従来技術で同様の動作をすると衝突検知しエラーが発生する。柔らかいシリコンハンドを使うと部品の方向と力加減を判断しにくい」と言う。
 同社は2024年度に量産化の体制を整え、26年度までにハンドやセンサーで売上高10億円を目指す。

20231210日号掲載)