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長野・岡谷の測定関連展に420人

ニコンソリューションズの画像測定システム「NEXIV」は例年の1.5倍の受注水準にある。

オンリーワン、シェアナンバーワン製品が集結

 生産性・品質を高める測定機器を一堂に集めた「2023測定・計測Solutionin中南信」(日本物流新聞社後援)が31415の両日、長野県岡谷市のテクノプラザおかやで開かれ、メーカーなど19社が出展した。県内での同様の催しは20163月に諏訪市で開いて以来、2回目。実に7年ぶりとあって目標の1.4倍となる420人が訪れた。
 駅前の展示施設3階分を用いた決して大規模な催しではないが、オンリーワン、シェアナンバーワン、格安製品が多く見られ盛況を博した。東京精密は業界唯一という回転軸をもつ光学式シャフト形状測定機「Shaftcom Cシリーズ」を紹介。昨年始めに発売し、きわめてニッチな製品だが全国で月に12台売れるようになったという。測定対象物をタテに設置し、回転させてラインスキャンカメラと8000ピクセルのイメージセンサーで短時間で測定する。同社は「3次元測定機と、細かなRを見るための形状測定機を組み合わせたクランクシャフトの測定に8時間ほどを要するものが、わずか15分で終えられる」と圧倒的な時短を話す。横穴やキー溝、触れを見るためのタッチプローブをオプションで用意する。
 オリンパスから分社化したエビデントは世界で唯一というARマイクロスコープ「SZX-AR1」を実演して見せた。見た目は一般的な顕微鏡のようだが、記者がレンズを覗くと拡大された対象物の各所に説明文が付記されていた。指示や説明を対象物にかぶせて付けることができ、その様子を離れたところにいる人と共有できる。同社は「海外の検査場での観察の様子を日本と共有できる。また、ココが不良だと印をつけて指導したり動画を付けたりもでき、検査作業の教育にも役立つ」と言う。

■ベンチャーによる格安製品も

 改良の進むアーム式3次元測定機にも注目が集まった。スウェーデンに本社をもつコングロマリット、Hexagonの測定事業を担う日本法人ヘキサゴン・メトロジーが実演したのは、昨年発売した第8世代にあたる「ABSOLUTE ARM 8シリーズ」。新たに防塵・防水機能(IP54)を付け、事前にCAD図面の情報を与えたうえでレーザースキャナーかタッチプローブで測定して、対象物の可否の判定ができる。「アーム型3次元測定機は世界でも日本でも販売シェア首位を保っている。レーザースキャナーは毎秒120万点と高精度の点群データを得られる」と話す。
 ニコンソリューションズはプリント基板の電極穴寸法などを測定する画像測定システム「NEXIV」のエントリーモデルを出品。34人で手分けして行っていた基板測定を1台で自動化でき、世界で高い販売シェアを誇る。スマホや自動運転に絡む電子部品の測定ニーズの増加に伴って需要は高水準にあり、2017年ピークには及ばないもののこの1年間は例年の15倍の受注件数という。
 ベンチャー企業の姿もあった。設立から5年というAnamorphosis Networks(京都市下京区)は昨年8月の東京どてらい市で初披露した2次元の汎用型外観検査装置「IKZ-01」を実演し、「こうした専門展に出展するたびに受注いただいており、今は3カ月から半年の納期」と忙しさを話す。ターンテーブル付きで対象物を360度見られ、半導体や自動車部品分野で引合いが多い。検査した対象物のキズを画面上で色塗りして教えると、AIが学習し他の部分のキズを見つけ出してくれる。最大のウリは定価150万円(パソコンやソフト付き、税別)という安さだ。「カメラだけでもこれくらいする機種があるので格安」と勧める。

2023410日号掲載)