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ニュースダイジェスト社が今年の工作機械受注額を1.3兆円と予測

業界展望や意見交換、賀詞交歓会で

 工作機械関連の技術や市場情報に関する専門誌を発行のニュースダイジェスト社(樋口八郎社長)は、111日、名古屋市内で「2024FA業界 新年賀詞交歓会」を開催。メーカー、商社のトップマネージメントら735人が参加した。
 同社の予想として、今年(暦年)の工作機械受注総額を13000億円と発表した。前日公表された日本工作機械工業会の予測値15000億円を下回り、昨年推定値からも約1800億円少ない厳しい見通しとなった。同社では「年央からの回復は期待できる」としつつ、主要需要国である中国の景気回復の遅れ、半導体回復の時期などを慎重に見て数字を弾いたようだ。全体的な底練りを予想しながら「営業力でカバーしてほしい」旨、メッセージも添えた。
 専門誌発行会社の賀詞交歓会らしく、この受注見通し以外にも業界の現況や戦略を伝え、また考察する方向で催しを進めた。
 新春トップインタビューと題し、DMG森精機、オークマ、THKの大手3社トップに対する公開質問も実施(=写真)した。THKの寺町彰博会長は「在庫調整の進む業種・企業も見られる」と先行き明るさを滲ませ、自社で取り組むEV主要部品の紹介などを通じて近い将来への対応をアピール。オークマの家城淳社長は「(自動車も半導体も)設備投資の次なるピークは2526年」としたうえで、日本の強みを活かしたAIの活用がポイントとし、「協創の精神で時代に臨みたい」などと伝えた。DMG森精機の森雅彦社長は「廉価な工作機械作りからは離れ、高付加価値のマシンの製造生産に軸足を移した」旨を語り、「10数台の機械を12台でカバーできる5軸・複合加工機にすれば、自動化のためのロボットなども少なくて済む。つまり工程集約マシンは自動化がやりやすい」などと伝えた。
 39回目となる「NDマーケティング大賞」を受賞したユニオンツール・片山貴雄会長への贈呈式も行った。同社は電子回路基板用の小径ドリルメーカーとして世界トップ級の実力を持ち、かつ近年はそのノウハウを超硬エンドミルや転造ダイスなどの開発につなげてきた。地域振興や文化活動の側面も評価されての受賞となったもので、片山会長からは感謝の意が伝えられた。

2024125日号掲載)