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ダイヘン「撮って選ぶ」だけでプログラム自動生成

(株)ダイヘン

タブレットでシンプル操作&安価実現

 ダイヘンは9月、タブレットで溶接箇所を撮影し、画面タッチだけでロボットを動かすことなくプログラムを生成する世界初の教示レスシステムを開発、販売開始した。
 タブレット(iPad Pro)でARマーカと溶接対象物を同時に撮影することで相対位置を取得し、撮影データから溶接箇所の候補となるポイントを抽出する。一度に撮影しきれない対象は、複数画像を合成することで対応が可能。溶接したい箇所のタグをタッチし、溶接開始・終了点や補間種別をリストから選択する。タブレットにティーチペンダント画面を表示できるため、転送したプログラムを確認、編集することも可能。
 市販品であるiPad ProLiDAR(ライダー)カメラとiPadアプリを活用することで、専用視覚センサが不要となり、大幅なコストダウンを実現した。
 開発の背景について、同社は「ロボット教示作業の習熟に長期間を要することに由来する『ロボット操作は複雑』というイメージや、少量多品種生産が多い中小企業の場合、頻繁に発生するプログラム作成(ロボット教示)による作業者の負担増が、ロボット導入のハードルとなっている。また、教示支援機能は価格面や必要とされる技量などにおいて敷居が高い。ロボット導入のカギは価格と、教示の負担軽減にあると考えた」と語る。
 タブレットによる教示レスシステムにより、ロボットプログラム作成時間を「最大60%まで削減可能」(同社)。非熟練者だけでなく、教示熟練者においても半減以上の縮減効果を期待できるという。
 「制御装置FD19を用いたアーク溶接用途のダイヘンロボットに適用でき、ロボット教示の代替として、工数低減と脱技能化を実現する」(同社)
 販売予定台数は年間350台で、標準価格は52万円(税別)。

20221010日号掲載)