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KMC、金型表面温度を簡単計測

(株)KMC

量産時の不良削減可能に

 製造業向けIoT/M2Mソリューションを手掛けるKMC(神奈川県川崎市高津区)は、無線型金型表面温度測定システム「サーモモニタリン」(=写真)を開発した。6月よりモニター販売先の募集を開始し、8月より注文受付と販売を開始する予定。
 ダイカスト鋳造や樹脂成形の量産時に、温度計測カメラ(約±10℃の精度、マイナス10~450℃の温度帯測定)によって、全ショットの金型表面温度をモニタリングできる。温度変化の異常をすぐに発見して警告可能。適切なタイミングで生産を中断でき、不良発生の大幅な削減が可能になる。さらに、データの傾向管理によって、温度変化点を見つけ出して不良発生を未然に防止しやすく、データをフィードバックすることで工程内品質保証、品質の安定生産にもつながる。
 カメラは、シャッター付で60×80ミリのマトリクス計測仕様。金型のキャビ・コア面の広角同時温度計測が可能だ。計測ソフトと表示ソフト「Σ軍師mini」も用意した。拡大&局所表示と平均・最大温度表示、閾値管理が簡単に行えるほか、2種類のグラデーション選択表示、金型開閉の自動認識と撮影タイミング設定なども可能。温度測定データは無線通信と有線通信から選択できる。税抜き価格は85万円(キャビ・コア2セット、Σ軍師mini)。バッテリーケース別売り5万円、導入設置・技術相談費用15万円~
 KMCによると、「量産成形中の不良は、設備、金型、材料、作業者の4要素の変化が絡むが、部品に一番近い金型の表面温度測定でその4要素の影響結果を測ることができる。従来の金型表面温度計測は、作業者がサーモセンサや赤外線カメラで測定していたが作業性が悪く、全ショットのモニタリングはできなかった。これらの問題解決に期待が大きいのが、『サーモモニタリン』。価格設定も安価で導入しやすい」という。

2021610日号掲載)