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シーメンス、バッテリー製造装置のデジタル化支援

シーメンスの堀田邦彦社長兼CEO

日本が世界に追いつき、追い越す可能性を示す

 シーメンスは626日、ヒラノテクシードとバッテリー製造装置の標準化やデジタル化推進に向け協業していくことで合意したと発表した。コーティング、ラミネーティング装置製造を手掛けるヒラノテクシードは次世代電池も含めたバッテリー製造装置などのエネルギー分野でのビジネス拡大を目指しており、シーメンスはシミュレーションやTIATotally Integrated Automation)を含む包括的なソリューションと、海外の大規模工場構築で培った経験と知識の提供でそれを後押しする考えだ。
 現在、両社が共に取り組むのがバッテリー向け塗工機の標準化。装置の市場投入スピードを高めつつ、柔軟かつきめ細かにエンドユーザーからの要求に応えること目指す。また、シーメンスはデジタルツイン構築も支援し、昨今の多様化するエンドユーザーからの要求仕様や設計変更に迅速に対応する体制を共に整え、迅速な量産体制の確立をサポートする。
 66日の記者懇談会でシーメンスの堀田邦彦社長兼CEOは「自動車業界に100年に1度の変革が訪れているというのは全くその通り」と述べ、電気自動車の登場で産業構造自体が大きく変わりつつあると指摘。一方で、「バッテリーの歩留まりは3割程度と非常に悪く、製造工程も非常に遅れている」とし、「年30%の成長率を支えるためにも、バッテリーをどうやって速く品質良く作るかということが喫緊の課題であり、日本のものづくりがそこに急速に追いつき世界のリーダーとなれる転機にきている」と国内のバッテリー産業再興を積極的に支援するとの考えを示していた。

2023710日号掲載)