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シャープ、111周年記念した技術展を初開催

【左=排水を循環させることでほとんど水を使用しない洗濯機。被災地などでの活用が期待される。】【右=大型倉庫向けロボットストレージシステム】

大型倉庫対応の物流システムを提案

 シャープは1112日までの3日間、創業111周年を記念した技術展「SHARP Tech-Day」を東京ビッグサイトの東展示棟8ホールで行った。同社単独での技術展示会は111年の歴史において初めてで、最新の技術を披露するだけでなく、誰でも技術に触れられる点が特長だった。
 AI(人工知能)を中心とした未来の技術展示や消費者向けの提案が多い中、BtoB向けで特に力を入れて提案したのが搬送システムだ。自社製造拠点で培ってきた搬送技術を7年前に社外向けに提供開始。既に、大手自動車メーカーなどに約150システム、1000台以上の自動搬送装置(AGV)を納めている。海外メーカーへの忌避感がある現場からの受注だけでなく、国内では最大手のAGVメーカーであり、カスタムにも柔軟に対応することや、歩留まりの高さが特長の一つであった亀山モデルの生産技術者がシステム開発を行っているという高い技術力が選ばれる理由だという。
 これまでは製造現場での採用が多かったが、物流2024年問題などもあり、同社の担当者は「近年は大型倉庫向けの需要が増えてきている」と話す。本展で初披露した「ロボットストレージシステム」は最高5.3㍍まで対応でき、大型倉庫の上部空間を無駄なく活用できる。現在は1システムで最大500台まで制御可能だが、東北大学と共同研究中の量子コンピューティング技術を使うことで、来年度中をめどに数千台規模のAGVの群制御を目指す。同社の担当者は「業界にブレイクスルーを起こし、ゆくゆくは工場全体のスマート化を手掛けたい」と話す。

(20231125日号掲載)