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ロボットアイデア甲子園 全国大会

最優秀賞のつくば工科高校の押木秀穏さん(右)とSIer協会久保田会長

アイデアとプレゼン力競う
最優秀賞は「共通型アームロボット+専用ソフトウェア」に

 「ロボットアイデア甲子園」の全国大会が128日に、大阪工業大学梅田キャンパスで開催された。主催はFA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)。産業用ロボットの新たな活用法として、ユニークでありながら実現化できるアイデアをプレゼンテーションで競う。地方大会を勝ち抜いた25人の高校生・高専生らがアイデアを発表した。
 最優秀賞に選ばれたのは茨城県立つくば工科高等学校2年生、押木秀穏さんの「共通型アームロボット+専用ソフトウェア」。ロボットのアームとハンドを共通化できるパーツと、ロボットを動かすソフトウェアをスマートフォンのアプリから購入する仕組みを提案した。   
 「ロボットのアームとハンドを自由に選ぶことができれば低コスト化でき汎用性が向上できる」と押木さん。「現状では難しいロボットアームの共通化に着目した、議論が広がる面白いアイデア」と高く評された。
 準優秀賞は、浜辺のごみを分別回収するカニ型ロボット「ビーチクラブン」を披露した、福島県立二本松工業高等学校2年生の菊地和奏さん。複数の足が異なるアームを有し、画像認識により適したアームで拾い上げる。ビーチクラブン自体が観光スポット化することで客を呼び込み、地域に経済効果をもたらすというアイデアが高評価を得た。
 審査委員長の佐藤知正氏(東京大学名誉教授)は「若い人は制約に捉われずに新しいことが考えられる。考えたロボットアイデアを一生かけて追求し続け、深みに達してもらいたい」と激励した。締めくくりの挨拶は、SIer協会副会長のHCIの奥山浩司社長。「日進月歩で成長しているロボットテクノロジーと共に、ロボットアイデア甲子園も年々レベルが高くなっている」と喜びを語り、大会の更なる発展を願った。次の全国大会は「2023国際ロボット展」(東京ビッグサイト)で開く予定。

2023210日号掲載)