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作業工具の進化と真価

時代が変われど褪せぬ魅力を放つ作業工具。その「進化と真価」を探るべく、作業工具メーカーの取材を行った。ともすれば「既に成熟したツール」とのイメージが付き纏う作業工具ではあるが、その実、動力を持たないシンプルさゆえにギミックによる誤魔化しが効かない実力勝負の業界でもある。そこで本特集では、作業工具の細部に宿る「ユーザーに選ばれる理由」をフィーチャー。各社の自信作をもとに、独自の進化を遂げたこだわりのポイントを紙面で紹介する。


■ロブテックス
J-CRAFTシリーズ
エビ印が贈る「本当に良い工具」


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「エビ印」ブランドが満を持して送り出した高品質工具シリーズ「J-CRAFT」。「つかむ」「曲げる」「切る」など工具の基本性能を追い求めて辿り着いたこだわりの日本品質工具で、ペンチ・ニッパを中心に35種類を展開。高い精度や鋭利な切れ味、手に馴染む質感といった工具の原点を徹底的に磨くことで、着々と市場での存在感を高めている。

その持ち味を一言で表すとすれば「数値では表せない使い心地」だ。担当者も「一度使えば必ず良さがわかる製品。展示会で実際に使っていただくと、触り心地や軽さ、切れ味どれを取っても非常に好評です」と品質の高さを担保する。

中でも偏心構造により切れ味を高めた「パワーシリーズ」は同社の自信作。テコの原理により少ない力で太い線の切断が可能で、ピアノ線や硬鋼線が切れる「パワーペンチ」「パワーニッパ」、フラット刃による綺麗な切断面が魅力の「パワーニッパ薄刃」を展開している。

さらに、後付けで手軽に作業性を高められるJ-CRAFT専用アタッチメント「グリップアダプター」も開発。長時間作業を楽にする簡易式バネとしても、油で滑りやすい現場の落下防止グリップとしても使える同製品は市場でも高い評価を獲得(150サイズのみ対応)。10月の展示会「第11回ツールジャパン」では元々販売予定はなかったものの、要望に応え急遽販売したところ即完売したという。


■オーエッチ工業
足場屋ハンマー
カラビナとの相性◎、片手で簡単脱着


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「ここ数年で一番の売れ行き」というオーエッチ工業の自信作。人気の理由は、ヘッドにあけられた特徴的な形の大きな掛け穴にある。

高所作業向けのハンマーは腰のカラビナに掛けられるよう、ヘッドに掛け穴を設けたものが多い。しかし径が小さかったり単なる真っすぐな穴であることが多く、片手での脱着は難度が高いのが課題だった。そこで「足場屋ハンマー」の掛け穴は、他社を凌ぐ大きさ(φ15mmまでOK)で脱着に有利なすり鉢形状に。カラビナが穴に向かって滑ることで、ノールックかつ片手で素早く脱着できるストレスフリーなハンマーに仕上げた。

掛け穴の配置も工夫。ヘッドの中心からややズレた位置に穴を設けたことで、カラビナに掛けた際に柄が持ち手側に自然に傾く仕掛けを施している。これによりカラビナから直に握りやすく、外した後も持ち替えなしで叩くことが可能になった。

高所作業では落下につながるトラブルは厳禁。そこでパイプとヘッドの間に衝撃を受け止めるシャフトを圧入し、パイプを硬く粘り強いクロムモリブデン鋼にするなど折れづらくした。柄尻には落下防止コードを付けられるステンレスリング付き。足場職人の支持を受け、発売以来生産が追い付かない状況が続いている。


■TONE
ハンマーシリーズ
展開と刷新、TONEのハンマーは新時代へ


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TONE のハンマーが生まれ変わったのをご存知だろうか。同社はこのほど、ハンマーのラインアップをすべてリニューアル。従来は黒一色だったデザインを刷新し、コーポレートカラーの赤と黒を前面に推した鮮やかな見た目に作り変えた。

直線的だったグリップ部も一新。グリップはゴム、シャフトにはグラスファイバーを採用し、ラウンドした形状に変えることで握りやすく滑りにくい仕様にしている。さらにグリップの中央には同社のブランドロゴを配置。一目で「TONEのハンマー」であることがわかる象徴的なデザインとした。

「ハンマーのリニューアルは初めて」と担当者。「ハンマーは総合工具メーカーの看板を掲 デザインが進化!げるうえで必須のアイテム。当然取り揃えてはいたがそれを全て刷新し、ラインアップも拡充することで、新たな業種に裾野を広げ市場シェアを高めたい」と狙いを語る。

その言葉通り同社は、既存機種の刷新に合わせ「軟鉄ハンマー」「真鍮ハンマー」など、これまで取り揃えていなかった製品も複数投入。「ハンマーの新製品は今後も続々登場予定」(担当者)と、総合力にさらなる磨きをかける。


■エンジニア
ネジザウルスVA
切る・回す・掴むの3役で電工を支援


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頭が潰れて回せなくなった小ネジや錆びたネジを掴んで簡単に外すことができる「ネジザウルスシリーズ」。

そのラインアップに、電気工事士向けの「ネジザウルス VA」が加わった。

VA 線(φ 2.6×3C)や CA 線を片手でラクラク切れる高い切れ味が特長。刃を擦り合わせて切断するシャーリング刃により、切り口がきれいで銅線などの飛散も抑えられる。網目状のクロスハッチにより先端に隙がなく、結束バンドなどの薄モノ 切れ味が進化!を確実に把持。「従来のペンチのような空つかみがない」という。

もちろん、名前の通り錆ネジや潰れネジを簡単に外せるネジザウルス機能も搭載。ドライバー代わりに使うことで、配管やダクトの撤去時に専用ドライバーを取りに行く手間を省ける。 CE スリーブやアースなどの簡易圧着機能も備え、まさに切る・回す・掴むの三拍子揃った万能工具だ。屋外の配管作業や高所での電設作業、リフォームなどに提案する。


■ベッセル
ボールグリップドライバー
ロングセラーにはワケがある


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言わずと知れたロングセラー製品「ボールグリップドライバー」。「達磨形」とも言われる握る部分がボール形状になったドライバーで、ボール部を握り押し付けるようにネジを回すことで強い力が発揮できる。ベッセルと聞いてこのシルエットを連想する向きも多いのではないか。

1984 年発売の同製品は当初から疲れにくいと評判だった。そうした「疲れにくさ」の数値化は難しく長年裏づけが取れていなかったが、近年解析を行ったところ、通常のドライバーと比べ骨格筋活動量が約 20%少なく済むことがわかったという。定番製品の地位を獲得した裏には、そうした合理的な理由が隠れていたわけだ。

そんな同製品のなかでもスタンダードな「No.220」が今年、グッドデザイン賞の「ロングライフデザイン賞」に輝いた。10 年以上市場へ供されていることが最低条件となる同賞において、受賞の決め手となったのはボールグリップドライバーの進化だったそうだ。

例えば 00 年代にダイオキシンが社会問題化した際には、金型を破棄してでもいち早く塩ビからエラストマー樹脂にグリップ素材を変更。貫通タイプやビット差替式など、ニーズを汲み取ったラインアップも次々と展開してきた。近年では電動アシストによる早回しと手動の本締めを両立した「電ドラボール」を発売。大ヒットを記録するなど、ボールグリップ形状を踏襲した様々な製品が生まれている。

「ここまで進化を遂げられたのは、ユーザーにこの形が合理的だと認知され、信頼を獲得しているから」と担当者。「これらの製品群はすべてベッセルのオリジナル。模倣だと改良が難しいが、その点我々ならユーザーの課題にとことん応えられる」と力を込める。


■フジ矢
偏芯パワーペンチ(KUROKIN)【バリ取り機能付き】
切断とボルトのバリ取りを1本で


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黒地に金のワンポイント装飾を施した上質工具「KUROKIN(黒金)」シリーズ。高級感漂うシックなデザインが感度の高い職人のハートをガッチリと掴み、SNSでも多くのユーザーが写真を投稿するなど着々とファンを増やしている。

そんな黒金シリーズに登場した「偏芯パワーペンチ バリ取り機能付き」は、その名の通り支点を切断部に近づける偏芯機構を採用。テコの原理による強力な切断力を持ち、鉄線や鋼線をはじめφ2mm のピアノ線も軽い力で切断できる。空調・電工作業の頼れる1 本だ。

最大の特長はグリップの根元にある。ここにネジ山修正機能を配したことで、軽天工事に用いる寸切り3分(W=38)吊ボルトのバリ取りやネジ山修正が可能に「。全ねじは切断の際などに頭が潰れたりバリが発生することが多い」という現場のニーズを汲んだ便利な工具に仕上げた。

先端部を中心に全体を薄くしたことで、1 サイズ下のクラスに迫る重量を実現。腰周りの負担を軽減しつつ、連続作業時の疲労も抑えられる。全長 200mm250mm 2 種類をラインアップ。


■MCCコーポレーション
エンビカッタ(特殊コティング)
切り終わりまで軽快な切れ味


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エンビカッタのパイオニアとしてプロの支持を集める MCC コーポレーション。そんな同社の配管工具に、「エンビカッタ(特殊コーティング)」が加わった。

最大の特長は刃に施した特殊コーティング。自慢の切れ味にさらなる磨きかかり「、切り終わりまで軽く滑らかな切れ味が続く」という。直角切断が可能で、後処理のいらない切り口の綺麗さも持ち味。ハンドルを開くと自動で刃が開く独自のワンタッチオープン機能を備え、片手作業を可能にしたことで作業性も高めた。

本体はダイキャスト製で軽さと強靭さを両立。ボルトとバネを外すだけで替刃の交換ができるユーザーフレンドリーな設計とした。

硬質ポリ塩ビ管、ポリエチレン管、ポリブテン管などの片手切断に対応。外径φ 48mmまでを対象としたコンパクトな「VC-0348A」、外径φ63mm まで切断できる「VC-0363A」の 2 種類をラインアップしている。


■スーパーツール
クイックワイドモンキレンチ
ワイドなのに送りは超速


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製品名を裏切らない大きな口開きが魅力の「クイックワイドモンキレンチ」。呼びが 250 のタイプで従来品では 29mm だった口開きを、ワイドを上回る「超ワイド」な 50mm まで広げた。

口開きが大きくなると、比例してウォームによる送り操作が煩わしくなってしまうのが従来のモンキレンチの宿命。しかし同製品では、ウォームギアを下にスライドできる特殊機構を採用。「ラックとウォームの噛みあわせを外す」ことで、素早いサイズ合わせが可能となった。

こうした機構をモンキレンチに取り入れたのは「同社がはじめて」といい、すでに特許も申請済み。指で早送りする際にもわかりやすいよう、口開きを一目で視認できる目盛りも付けている。

グリップを肉抜きすることで、口開きの割に軽量なボディを実現。握り部にも工夫を施し、片側だけをやや分厚くすることで、手のひらに対し面で接触する握りやすい形にした。こうした機能を 1 丁に集約することで「一味違う」モンキレンチに仕上がった同製品。昨年 8 月の発売以来、ホームセンター向けなどで売れ行きも好調という。