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生産性いっそう高まる鍛圧機械

段取り減らし少量多品種生産に対応 

パンチ部を左右それぞれ2基、計4基搭載したタケダ機械の孔あけ・切断複合加工機「UWFー150ⅢW」

切削型加工機に比べると頑丈で長持ちする鍛圧機械(プレス系機械と板金系機械)。もともと生産性の高いマシンだけに、機能進化のスピードは他の加工機ほど速くないようにみえる。だが、段取り作業を含めた加工時間は大幅に短縮しており、少量多品種生産に向く機械が様々ある。


近年の金属部品は小型化し、しかもそのなかに様々な機能をもたせようとするため製造工程は複雑になる一方だ。電子機器などの製品のライフサイクルはどんどん短くなる傾向にあり、少量多品種生産に拍車がかかる。

プレス絞り加工による試作を得意とする豊里金属工業(大阪市東淀川区)は5mm角から2.5m長さの部品を少量生産する。岩水建二社長は小さい部品の加工の難しさを挙げ、「センサー関連の小型部品の製造には20もの工程を要するものもある」と話す(左に「挑む!加工現場」)。

工程数の多くなるプレス加工や孔あけ・切断にもってこいのマシンがいくつも登場している。富士機工のプレス機「デスクロータリー」は複数の金型をあらかじめ設置しておけるのが特長で、「金属プレス加工で一番の課題ともいえる金型交換の段取りが不要になる」と言う。通常なら数分から10分ほどかかる金型交換を、ボタンひとつで完了させることが可能。「金型交換にかかる時間はわずか数秒で、一番遠い金型でも10秒ほど。1台で段取り作業を10分の1から30分の1に削減する」。

同社によると、大手メーカーの高価格・高機能マシンでできる加工の一部を、わざわざ富士機工製で行うユーザーがいるという。なぜか。

「高機能のマシンのなかでトラブルの原因になりやすい加工が一部存在し、(トラブルが発生すれば)短時間ではあるが、マシンを止めて確認や調整を行う必要やプログラムの作成に手間をかける必要があるから」 リスク回避の観点からも有効な機械というわけだ。

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富士機工のプレス機「デスクロータリー」とセットした多種類の金型

ワンパスで2種類の孔あけ


タケダ機械の全自動孔あけ・切断複合加工機「UWF-150ⅢW」(自動運転可能鋼材長0.55~12.1m、NCを一新して12.1インチモニター搭載)も段取り作業を減らす。パンチ部を左右それぞれ2基、計4基搭載したことでワンパスで片側2種類の孔あけを実現。Cチャンをはじめアングル、チャンネル、フラットバーなど多様な形鋼が加工できる。同社は「機械を停止してのパンチ金型交換、材料の再セットの作業を大幅に省く」とし、「右パンチ2基を活用し、ワンパスでCチャン両側のフランジ孔あけを実現する専用金型も用意した」と言う。独自のユニット金型(切断・パンチ用)を豊富にラインナップし、たとえば切断用金型には、薄い形鋼に適したシングルカット、厚い形鋼に適したダブルカットなどがある。高まる省人化ニーズに応え、豊富なオプションの組合せ、カスタマイズを提案していく考え。


小型化で1.3倍の生産性


相澤鉄工所のボールネジ駆動プレスブレーキ「APB-204」(最大加圧力20トン、曲げ幅420ミリ)は他に類を見ない小型で高生産性。同社は「APBシリーズは安全装置装着時に最も省スペースとなるよう考慮されたデザイン性のある機械」とアピールする。工程数が多く複雑な形状に曲げることの多い電機業界にぴったりのマシンと言える。最近、建築業界向けにこのシリーズを出荷した。主に角部接合部材などの手のひらサイズ部品を生産する部門に納入し、従来機の1.3倍の生産性を実現したという。搭載するNCはユーザーの作業内容に応じて2種類から選べ、「補正入力においても独自の発想から使いやすいものとなっている」と自信を見せる。

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省スペース設計の相澤鉄工所のプレスブレーキ「APB-204」