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三井精機工業、自社工場見学会開く

三井精機工業(株)

コンプレッサ運用に注目集まる

 三井精機工業は289日の2日間、埼玉県の本社工場で同社工作機械ユーザー向けの工場見学会を開催した。
 機械の組付けを行う精機棟には、5軸立形マシニングセンタ「Vertex」シリーズや、プレシジョンセンタ「PJ303X」、ジグ研削盤「J350G」、海外よりオーバーホールを依頼された大型ねじ研削盤などがズラリと並んだ。
 北米向け市場、特に航空・宇宙産業のユーザーから絶大な支持を得ている同社加工機とあって、「航空機需要の回復により受注も徐々に増えてきている」(同社精機営業部精機販売推進室・宮脇啓二主査)と語る。
 また前出のねじ研削盤のようにオーバーホール需要も底堅く、海外を中心に大型機のオーバーホール依頼も相次いでいるという。
 精機棟内は恒温に保たれているだけでなく、僅かな振動も伝わらないように、実際の作業現場は、クレーンの土台部分と別の土台に築かれている。同社伝統のキサゲはあらゆる摺動部分に施されており、取材当日も難易度の高いV字レール部分のキサゲを入念に行う姿が見られた。こうした徹底的なこだわりが「精度の三井」を実現している。
 組付け現場では、米国ユーザーから依頼されたという旋盤タイプの特注機や、出荷直前のジグボーラー「J6CN」が4台ズラリと並ぶ姿も見られた。
 また実機で注目を集めていたのがVertex55Ⅲ横に取り付けられた同社製コンプレッサとのマシニングセンタの連動だ。宮脇主査は「当社が提案したいのは、1台の工作機械に1台ずつコンプレッサを、という発想。機械の需要に合わせてコンプレッサの圧を上げ下げする。加工プログラムを先読みして行うもので、業界初」と力を込める。
 「多くの工場では大型のコンプレッサからエア配管を伝わって工作機械にエアを送っているが、配管による出力ロスや大型機ならではの出力不足なども相まって、エネルギーロスが大きく環境にも厳しい。その点、当社のシステム(プロトタイプ)なら効率的に出力制御するので、より環境に優しい運用を可能にする」(同)
 同システムは今夏にも正式リリースを予定している。

2024225日号掲載)