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三菱電機、ファイバーレーザー加工機24年モデル

窒素+エアーで「速くてきれいに」

 三菱電機が2019年に発売したボリュームゾーン向け2次元ファイバーレーザー加工機「GX-F」が大きな変化を遂げた。同社の名古屋製作所で28日、報道陣に公開した2024年モデル(41日発売)に3つの新技術を加えた。その1つ、窒素とエアーの混合ガスを用いた「AGR-Mix」と名づけた新たな切断法は、酸素切断(高い加工面品質)と窒素切断(高い加工速度)のいいとこ取り。切断でバリが出にくく、酸素切断の210倍の速さをもつ。窒素ガス消費量は窒素切断に比べて最大で60%削減。同社は「45年にわたって蓄積した(1979年に日本で初めてCO2レーザー加工機を製品化)ガスのコントロール技術で実現した」(横井茂・産業メカトロニクス製作所レーザシステム次長)と言う。
 このほか金属板からパーツを切り離しやすいようジョイントを最低限にする「ライトジョイント」、加工条件調整後に元の条件との差分比較や元の条件への復元ができる「加工パラメーター編集機能拡張」を盛り込み、様々な自動化設備を後づけで拡張できるようにもした。2024年度はグローバルで500台の販売を目指す。
 同社は「こうした新技術を毎年提供する」(川田明宏FA事業本部産業メカトロニクス事業部メカトロ事業推進部長)と宣言した。しかも新機能は既存機に後づけして最新状態に保つことができる。その狙いについて「加工機を陳腐化させなくてすむ。環境負荷の低減にも貢献できるのではないか。リプレイスの需要を減らすことになるかもしれないが、三菱の姿勢に対して共感し、安心してもらい、ファンになってもらいたい」(同)と話す。

2024225日号掲載)