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日機装、水除菌装置導入コスト65%削減

PearlAqua Deca 30C

深紫外線LED市場拡大へ品揃え強化

 産業用特殊ポンプや航空機エンジン向け部品、人工透析装置などの各分野でトップシェアを誇る日機装(東京都渋谷区)は、深紫外線LEDの開発にも力を入れる。912日からリニューアルした深紫外線LED水除菌モジュール「PearlAqua Deca 30C」は、従来の最大流量(毎分15㍑)を維持しながら、導入コストを約65%削減。サイズも手のひらに乗る大きさ(高さ153×110㍉)に抑え、小~中規模流量を必要とする業務用食洗器や産業用機械などへ組み込みやすくした。
 2017年に深紫外線LEDによる水除菌モジュールを発表してから、同社は市場をけん引してきた。毎分1.2㍑の極小流量のモデルを含む「micro」シリーズは累計販売台数10万台を突破。今回のコスト・サイズダウンも、グローバルでの豊富な納入実績から内部構造や素材を最適化するノウハウを備蓄してきたことに起因する。同社・メディカル事業本部ヘルスケア事業推進部の田坂勝次部長は「LEDチップをただ並べるだけでは効率的に殺菌できない。当社はLEDチップそのものも作っているとともに、医療機器メーカーとして光学・流体の解析技術を使った殺菌の知見を活かし、毎分1.2㍑から1万リットルまでの様々な流量に対応する製品ラインナップが特長」と話す。
 調査会社・グローバルインフォメーションのレポートによれば、深紫外線LED23~28年のCAGR(年平均成長率)は29.65%。特に、水殺菌分野が市場をけん引していくとみられている。同社も二桁成長を予想しており、宇宙分野から第一次産業まで幅広いマーケットで採用が進んでいくとみる。「LED化による製品の小型化・高効率化を期待して、水銀ランプといった既存技術からの置き換えだけでなく、新分野からの問い合わせも増えている。使用用途ごとに適切な製品提案が可能な当社の特長を生かして、提案・開拓を加速していきたい」(田坂部長)と更なる市場獲得に向け歩みを進める。

20231010日号掲載)