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ダイキンとSIRCが協業、防爆対応の角度センサユニット開発

化学プラントの点検効率化へ

 ダイキン工業と大阪市の技術ベンチャー・SIRCは、協業により「防爆対応 IoT角度センサユニット」を開発。3月にSIRCが販売を開始した。防爆エリアに設置された各種計器の針の角度を読み取り、PLCPIMSに数値を自動で送信するもの。本質安全防爆のため耐圧防爆より小型軽量で特別な設置工事も不要。アナログメータへ後付けで設置し、化学プラントなどの点検業務の効率化や安定操業につなげる。
 SIRCは大阪市立大学発の技術ベンチャー。コア技術は磁性薄膜とそれを用いたセンシングで、電力・電流・角度を計測して出力したり周波数を抽出できる磁性薄膜を微小チップに仕立て、これを活用した各種センサを開発する。化学業界では労働力不足により点検効率の向上が課題だが、防爆エリアでは防爆用の工事が必要で計器やセンサの設置コストが高いという問題があった。ダイキン工業も同じ課題を抱えていたことからSIRCと協業。淀川製作所の化学プラント内で検証作業を進めてきた。
 これまで淀川製作所の約320カ所にセンサを導入し、年間で4千時間以上の点検関連業務を効率化できたという。異常停止などを防ぎ安定操業にもつながった。なお、同センサの電池寿命は高頻度データ更新(10秒)で5年。

(2024年4月10日号原稿)