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山善、ひろしまAI・IoT進化型ロボット展に出展

AI用いたピック&プレース

 AIIoTなどを用いた最新技術や、ロボットやその関連分野による自動化ソリューションなどを集めた「第4 ひろしまAIIoT進化型ロボット展示会」(ひろしまAIIoT進化型ロボット展示会実行委員会主催)が、1210日からの2日間、広島県立広島産業会館 西展示館で開催された。製造業の生産性が今一度見直されるなか、来場者はロボットシステムインテグレーターやソフトウェアメーカーによる技術提案に熱い視線を注いでいた。
 全46社・団体の展示のなかでも、一際広いブースを構えてアピールしたのが山善だ。ユニテックとテックマンロボット社による部品供給システムなど、協働ロボットを用いた自動化デモを複数出展。東邦工業とアセントロボティクスによるコラボブースでは、東邦工業の「平面フィーダー」とアセントロボティクスのAIソフトウェア「アセントピック」による、バラ積み部品のピック&プレースデモを展示した。
 このデモラインでは、(1)平面フィーダーで振動を加えることで部品を平面に均し、協働ロボに取り付けたカメラで認識(2AIが掴む場所を自動で判断(3)協働ロボットへ指示を出すという一連の流れを披露。東邦工業の担当者は「今回のデモでは3Dカメラを使っているが」と前置きしつつ、「山積み状態の部品のピッキングには本来高額な3Dカメラが必要だが、平面フィーダーで部品の重なりをなくすことで2Dカメラでも対応が可能になる」と、平面フィーダーを用いた部品供給のメリットを語った。
 「来場者には新たな発見や驚きを持ち帰ってもらいたい」(山善)と、ブースではロボットを用いた自動化展示以外にも関連する周辺技術を複数展示。テクノソリューションズのCFRPコンポジット3Dプリンター「Markforged Mark Two」を用いて短時間で製作したロボットハンドや、サインポストの設置だけで経路設定が可能なTHKAGVSIGNAS」などが注目を集めた。
 また、広島の展示会では初出展というエクスツールドホーンの砥粒流動加工機も披露。同製品は粘弾性キャリアと砥粒を混合した「メディア」と呼ばれる独自の研磨剤を用いることで「複雑形状の部品に対してもピンポイントかつ高精度の研磨ができるうえ、内面研磨とエッジ部のR付けなど複数工程を1度で行える」(エクスツールドホーン)と言う。
 ブースにはそのほか、設備や測定機器などのシェアリングや遊休資産の企業間直接売買サービスを手がけるSharing FACTORYも出展。担当者は「コロナ禍で企業の予算が削減されたこともあり、中古販売、シェアリング共に問合わせが増えている。設備を探している人がフリマサイトのように直接情報にアクセスできる仕組みのため、業種・業界を越えた思わぬマッチングが成立することも多い」と手ごたえを話した。

20201225日号掲載)