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ロブテックス、溶接の手を止めずにスパッタ清掃

(株)ロブテックス

エビ印のアイデア工具で品質・効率アップへ 

 ややニッチと言えなくもないが、特定の業界には間違いなく深く刺さる工具。わずかな時間のロスがコストアップに直結するプロの仕事では、そんな一芸に秀でた工具こそ重宝される。そしてロブテックスが121日に発売する「溶接ノズルクリーナー」は、まさにそんな1本だ。ノズルに固着した溶接スパッタをゴリゴリと削り取るための工具で、アーク溶接を日常的に行う職人ならおそらく、一度手に取るだけで「欲しい」と思うのではないか。
 溶接ノズルクリーナーが生まれたきっかけはある鉄工所が抱える悩み事だった。ガスシールド溶接を行っていると、トーチ先端のノズルに溶接スパッタが固着していく。その状態を放置すると溶接品質が低下するため定期的な清掃やノズルの交換が必要になるが、従来から市場にある「溶接用ペンチ」では掃除のためにノズルを取り外さねばならないという煩わしさがある。つまり効率を下げてでも溶接の手を一度止める必要があり、そのジレンマの解消が長年の課題だったそうだ。
 溶接ノズルクリーナーは手持ちのラチェットハンドルに接続できるアタッチメントだ。よく見ると先端に穴が開いた構造をしており、この穴が溶接ワイヤをかわす役目を果たす。これにより清掃のためにノズルをトーチから外さずとも、工具をノズルの内径に差し込んで回すだけでスパッタをこそぎ取れる。先端部は、試行錯誤でたどり着いたスピーディにスパッタをこそぎ取れる理想的な形状。溶接の片手間にサッと清掃でき、溶接の効率と品質を一挙に上げられる一石二鳥の工具といえる。
 面倒だったスパッタ掃除が簡単になれば、ノズルも長持ちするため廃棄物を減らせるという副次的な効果もある。すでに山善経由で先行発売を行っており、「これがないと作業ができない」というほど重宝する鉄工所もあるという。 
「鉄工所は元々、我々にとってなじみ深いユーザーです」と担当者。「エビ印工具も広く認知いただいており、溶接ペンチも後発でしたが非常に好評をいただきました。溶接ノズルクリーナーはこれまで世の中になかった製品で、そうした新しい工具を親和性の高い業界にお届けできる。我々としても期待をしています」

20221125日号掲載)