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ウェアラブル端末 多種多様

2つの端末からなるInfoLinker3

業務効率化から未来型のエンタメまで

 121日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれたウェアラブルEXPOは大変な盛り上がりを見せた。コロナ禍においてリモートワークやオンラインでのやり取りが多くなるなか、これまで手を付けられてこなかった現場業務の効率化にまで意識が向けられている。
 ウェアラブル端末代表格のスマートグラス型の端末は、各社が製造・サービスの提供をしているものの様々な問題もある。例えば、機能性を求めると端末が重くなり、端末を軽くすると機能が不足する。そうした問題の解決を目指して開発されたのが、ウエストユニティス(大阪市)の「InfoLinker3」。本端末はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)とNBC(ネックバンドコンピューター)の2つの部分からなる。HMDにはカメラとディスプレイ、骨伝動ヘッドホンを、NBCにはマイクとタッチパネル、バッテリー、スピーカーを搭載する。端末を頭と首元に分散することで、業界初のLTE通信モジュールを内蔵し、大容量のホットスワップバッテリーも搭載することが可能となった。そのため、ポケットWi-Fiの携帯が不要かつ、4~5時間程の使用が可能。休憩時に電池を交換すれば、丸一日の使用にも堪える。今年の夏には英語と中国語に対応予定。
 ユニオンツール(東京都品川区)が提供するのはウェアラブル心拍センサ「myBeat心拍センサ」である。小型のセンサを胸に付けることで、心拍や3軸加速度、体表温を測定する。医療機関で使用されるホルター心電計と同等の精度が、装着時に違和感がないほど小さな端末で実現できるのが特徴だ。ストレス状態や寝返りの検知、居住空間の快適性などの分析が可能なため、うつ病や熱中症の事前検知、見守り用の端末などの用途が想定される。
 少し変わった視点からの取り組みの製品もある。量子ドットを世界で初めて量産化したQDレーザ(神奈川県川崎市)が開発しているのは「RETISSA DisplayⅡ」と「RD2CAM」だ。従来の透過型スマートグラスとは異なり、網膜に直接RGBレーザを照射し、画像や映像をダイレクトに認識できる。そのため、視力やピント位置に依存しない。弱視者や高齢者の視覚支援としてだけではなく、現実の風景に映像を自然と重ね合わせたような新たなAR体験を可能にしてくれそうだ。

2022210日号掲載)