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東陽、羽賀威一郎氏が新社長に

社長に就任した羽賀威一郎氏。兵庫県出身、1968年生まれの55歳。座右の銘は雲外蒼天。「努力して困難を克服するからこそ心地よい青空を眺められると考えています」

継承と発展の経営へ

 東陽は224日、名古屋市のホテルで経営報告会を開催した。先だって行われた記者会見では、19日に社長に就任した羽賀威一郎氏が登壇。「会社にとっての一番の宝は社員。私が就任したことで売上が落ちて社員のモチベーションが落ちないよう、前社長の意志を引き継ぎさらに発展させていく」と力強く抱負を語った。
 前社長の羽賀象二郎氏は昨年1024日に52歳で逝去。それに伴い、象二郎氏の実兄である威一郎氏が社長に就任した。威一郎氏は1968年生まれの55歳。米ボストン大学経営学部を卒業後、総合商社のエネルギー部門に所属し、液化天然ガスの輸入プロジェクトを推進した経歴を持つ。03年に総合商社を退職し、05年に靴の輸入販売を行うTOSMAXの社長に就任。総合検査会社日本ラボテックの社長も務め「必要な投資は必ず行うが無駄な投資は一切しない」という姿勢で事業規模を拡大させてきた。
 「東陽には提案営業が根付いており、定時定期訪問を細かに行う体制をお客様からも評価いただいている。コロナ禍など予期せぬ出来事もあったが、それでも前社長が推進してきたことが間違っていないことは収益数字に表れている。少なくとも1年間は今までの方針をできる限り踏襲し、以降も社内の意見を取り入れつつ一体となって物事を進める」(威一郎氏)。
 経営報告会では今後の戦略も語られた。「EV化に向けた課題がある一方で、eアクスルなど新たなビジネスが生まれているのも事実」と威一郎氏。「EVはバッテリやモータの領域でガソリン車より自動化に取り組みやすいという側面もある。市場のニーズはグリーン、DX、自動化などをキーワードに活性化すると考えている。刻々と変化する市場のニーズをいち早く把握したうえで今まで以上に魅力的な提案営業を目指す」と結んだ。
 なお、同社は今年度の売上高を単体で約950億円、連結で約1230億円程度と見込む。来期は単体で1000億円の売上を目指すという。

2023310日号掲載)