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整理・収納のコツ!

スッキリ快適な生活を実現

片付け前のキッチン(左)と片付け後

整理収納アドバイザー 白石 葉子 さん

しらいし・ようこ。自身の家事、育児などの経験を生かし、整理収納アドバイザー、防災士、カウンセラーとして東京都内で活動している。整理収納アドバイザーとしては、快適な部屋にするための整理整頓術、引っ越し前後の片付け、防災収納などについてのアドバイスを行っている。これまで延べ1000部屋の片づけを先導した実績をもつ。白石さんのホームページhttps://totonoe-musubu.com/


白石さんは、「手順を守れば誰でもかんたんに片付けができるようになる」と話す。その手順とは、①片付ける場所のモノを全て「出す」②使うモノと使わないモノを分ける「区別」する③使うものを使いやすく「収納」する④収納しているモノの「名前」を書く⑤使ったら同じ場所に戻すことを「維持」する︱だ(図1参照)。  「例えばクローゼットを片付けようと思ったなら、クローゼットの中身を全て出し、何がどの程度収納されているのかを把握しましょう。そして、これからも使うモノと使わないモノに分けていきます」。


「使う・使わない」の判断が最大の難関

しかし、この区別が片付けの最大の難関だという。「使う・使わないの2択だと、判断がつかず迷われる方が多いと思います。そこで私は『5つのる』(図2)で考えましょうとお話ししています」。  

5つのるとは「いる」「捨てる」「譲る」「売る」「考える」の語尾「る」を取ったもの。ダンボールや袋を用意して、この5つに分類。そしているもは収納する、捨てるものは捨てる、譲るものは友人・知人へ、売るものはフリーマーケットやインターネットで売る、そして判断しがたいものは考えるボックスに入れておき、必要か不要かを一定期間検討する。  

「日本人は、幼い頃からモノを大切にするように言われてきた人も多く、中々モノを捨てられない傾向にあります。特に高価だったモノやプレゼントでもらったモノなどは処分する決断ができない人も多いと思います。しかし、何故片付けようと思ったのか、自分はどんな暮らしをしたいのかを軸に、理想の暮らしに必要なモノ以外は処分する勇気も必要です」


収納02.jpg


片付けが苦手な人は何から始めるべき?

「料理をレシピ通り作るのと同じで、片付けも手順(図1)通りに進めれば、何も難しいことはありません。まずは『片付けるぞ』と決めた気持ちを忘れないために、この片付けの手順を部屋に貼ったり、スマートフォンの待ちうけ画面にしたりするのも良いでしょう」。  そして、手をつけやすい小さいスペースから始めるのがオススメだと、白石さんは話す。

「一度、全てのモノを出す必要があるため、モノがたくさん入っている押入れやクローゼットだと、慣れないうちは1日で最後までたどり着けない場合もあります。ですので、キッチンの引き出しやテレビ台の下など、小さなスペースでモノがあまり収納されていない場所から始めましょう」。  

小さなスペースを手順通り片付け、「スッキリした」「使いやすくなった」という成功体験を積み重ねることで、徐々に片付けのコツを掴み、たくさんモノが収納されている場所でも片付けられるようになるという。

収納がうまくいく3つのポイント

限られたスペースに必要なものをただ収納すれば良いというものではない。①使用頻度②グルーピング③動線︱が、収納する際のポイントだという。  

「よく使うモノを取り出しやすく、しまいやすい場所に収納しましょう。また、今だと新型コロナ対策のアルコールなどの消毒グッズはまとめてひとつのカゴに入れておくなど、グルーピングして収納するのもポイントです。一番重要なのは動線を考えることです。昔、化粧はダイニングテーブルでするという方がいました。

しかしその方は、『化粧品は洗面所にしまうべき』という概念から、洗面所に収納。そして毎回、洗面所から取り出し、洗面所に片付けていました。しまうべき場所は『いつも使う場所』です。そうしないと無駄な動きが発生して効率が悪いほか、片付けるのが億劫になり、出しっぱなしになってしまうこともあります」

リモートワークの整理整頓術

コロナ禍により、リモートワークを導入する企業が増えた。そこで、限られた生活スペースで効率的にリモートワークをするための整理整頓術も聞いてみた。  

「リモートワークスペースでモノが増えたとお悩みの方には、カラーボックスを置き、資料など仕事関連のモノは全てそこへ収納することをオススメしています。生活用品と仕事関連のモノを分けて収納することと、机の上にはモノは置かないことは鉄則です。机の上にモノが置いてあると生産性が下がるという検証結果もありますので、スッキリした机でスッキリと仕事ができるように『使ったら片付ける』を心掛けましょう」。