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カルテック、万能ウイルス除菌・脱臭機

光触媒で新型コロナ不活化

 カルテック(染井潤一社長)は自社開発の除菌・脱臭機に採用中の光触媒技術に、新型コロナウイルスを不活化する効果を確認したと発表した。
 理化学研究所、日本大学と共同で行った実証実験では、新型コロナウイルスを試験用の空間に充満させ、それを同社の光触媒デバイスによってどの程度除去できるか検証。約6分間で93%20分間では999%ウイルスを不活化させた。
 実験を主導した理化学研究所の間陽子博士は、「大気中の新型コロナウイルスを消滅させる効果を実証した世界初の事例。光触媒が発生する活性酸素がウイルスの分解や損傷に影響を与えている可能性が高い。これは新型コロナだけではなく、インフルエンザやノロといった他のRNAウイルスの不活化にも有効」という。
 実証実験で使用された除菌・脱臭機には、独自の「ローンコーティング」技術が施されたフィルターが搭載されている。わずかの20センチ四方程度のフィルターだが、その表面積はテニスコート1面分。「表面積が広ければ広いほど、光触媒による分解力は高くなり、ウイルスはもちろん、除菌・脱臭にも優れた効果がある。また一般的なフィルターと違い、数カ月に一度の簡単なメンテナンスで初期性能に戻り、約10年間繰り返し使用できる」(染井社長)。加えて、光と風をコントロールし光触媒の反応効率を高める「サイドフロー構造」により、デバイス自体の薄型、軽量化を果たしている。
 現在、同社から製品化されているのは壁掛けタイプ(約8畳に対応)に加え、脱臭LED電球(約1畳に対応)、首かけタイプの3種類。12月には50畳以上の空間に対応する床置きタイプのリリースも予定している。
 間博士は「これまでSARSMERS、今回のCovid19などキクガシラコウモリを宿主とするコロナウイルスは、今後もカタチを変えて新たな脅威として現れるだろう。光触媒によるデバイスはこれらのウイルスに対して万能とも言える効果を発揮している。今後さらに研究を深めて行きたい」とし、同社の製品に関しては「換気の出来ない空間や人が集まる場所に最適」と語った。

20201025日号掲載)