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テレワーカーの割合、全国平均26%(雇用型)

都市と地方、大企業と中小で差、国交省テレワーク人口調査

 テレワークの普及促進に取り組む国土交通省はこのほど、昨年度の「テレワーク人口実態調査」を公表した。雇用型テレワーカー()の割合は全国で26.1%0.9ポイント減)だった。首都圏のテレワーカー割合が40%に達した一方、地方都市圏は17%台にとどまるなど地域差が見られ、また企業規模別の違いも浮き彫りになった。


 調査は、昨年10~11月にWEBで行い、約4万人の有効サンプルを得てまとめたもの。地域で、企業規模別で、違いの目立つ結果となった。
 雇用型就業者におけるテレワーカーの割合は、首都圏で40.0%(前年42.3%)だったのに対し、近畿圏26.2%(同27.7%)、中京圏21.9%(同22.9%)、地方都市圏17.5%(同17.2%)と首都圏との差が目立った。全国平均は前年から0.9ポイント減の26.1%だった。(グラフ1
 ただし細かく見ると、都市部でテレワーカーの割合が頭打ち傾向なのに対し、地方ではやや増加傾向にあることもうかがえた。
 一方、雇用型テレワーカーのうち、テレワーク継続意向があるものは約87%を占めた。その理由として「時間の有効活用」を上げる回答が約40%と最も多く、次に「通勤負担の軽減」(約33%)が続いた。このほか継続意向がある雇用型テレワーカーにテレワーク実施希望頻度を聞くと約6割が現状を上回る頻度を希望していた。

■働き方制度、大規模企業で多様に

 企業規模別のテレワーカーの割合も調べた。企業規模が大きいほどその割合が高く、小さいほど低い傾向だった。従業員1000人以上の企業におけるテレワーカーの割合は平均36.7%で、企業規模が小さくなるほどパーセンテージは下がり、1~19人の企業では平均154%だった。これに関連し、企業規模が大きくなるほどテレワークの環境整備に取り組む割合が増加傾向ともなっていた。環境の差が最も大きかったのが「セキュリティ対策が施されたノートPC・通信機器の貸与」で、1000人以上の企業は33.8%が実施していたが、19人までの企業は実施率10.0%だった。
 また、雇用型就業者約36000人(有効回答)に、働き方に関する勤務先の制度を聞いたところ、テレワーク制度以外にも「フレックスタイム制」「時差出勤制度」「短時間勤務制度」などで制度化が一定程度進んでいることがわかった。ここでも、規模の大きい企業ほど制度導入が進んでいる傾向にあった。(グラフ2
 このほか、テレワーク普及のために勤務先で必要とされる取り組みについては「意識改革」「制度・規定・仕組みの導入」「環境整備」「テレワーク支援」などが上がった。
 テレワークは、新型コロナ感染症の拡大に伴い緊急避難的に実施された側面があるが、定着するにつれ「生産性向上に資する」との認識も広がっている。このテレワーク人口実態調査は今後も毎年実施予定で、企業の取り組み内容が引き続き注目される。


雇用型テレワーカーとは、情報通信技術などを活用し、普段出勤して仕事を行う勤務先とは違う場所で仕事をする雇用者、又は、勤務先に出勤せずに自宅その他の場所で仕事する雇用者を指す

グラフ2.jpg

(2023年4月10日号掲載)