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チームクロスFA「R&F南相馬工場」開所

R&F南相馬工場内部。最新機器がズラリと居並ぶ

次世代型DXファクトリー

 製造業のDXから生産ラインの開発・実装を支援するコンソーシアム「チームクロスFA」の幹事企業ロボコム・アンド・エフエイコム(天野眞也社代表・飯野英城代表/以下R&F)は628日、福島県南相馬市に次世代型デジタルファクトリー「R&F南相馬工場」を開所した。
 総工費約40億円にも及ぶ同工場には、コーポレートカラーの赤に統一された最新の工作機械や周辺機器、ロボット、セキュリティシステムが揃う。これに加えてAIを活用した自動見積もりから生産設備まで連動したシステムを実現。変種変量・短納期生産に対応する。
 また生産管理システムや最新のCAD/CAMシステム及び、デジタル上に構築された仮想生産ラインによるシミュレーション、統合MES(製造実行システム)が生産設備とシームレスにつながるなど、製造業のDXを具現化した工場となる。
 「生産設備や製造製品の情報がシステムにフィードバックされることでデジタルツインを実現し、自律制御された完全無人エリアを含む、全体最適化された工場を実現した。セキュリティ面は基幹システムのコアネットワークレベルと工場内の生産ネットワークレベルの二段階でネットワークセキュリティを構成した。さらに工場内のネットワークは各加工ゾーンをセルとして分け、それぞれにエッジ側ファイアウォールを設置することで、外部だけではなく、内部からの攻撃に対してもセキュアな環境を構築した」(飯野代表)。
 さらにはカーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、自家消費型太陽光発電システムや産業廃棄物計量システムを導入。製品単位での原単位管理によって、CO2排出量年間約3000㌧の削減を実現する。
 同工場では、加工部品の変種変量・短納期生産や、ロボットによる工程の自動化をスムーズに行える半完成品「ロボットシステムパッケージ」も開発・生産する。
 「大手企業でしか導入できなかった自動システムの導入コストや維持管理コストを下げ、中小企業でも導入可能なパッケージとして提供できるようにするとともに、ロボットSIerの後方支援も行っていきたい」(天野代表)

2021710日号掲載)