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山善、メーカー向け決算説明会を「フル開催」

進取果敢で長期ビジョンの達成へ

 山善は516日、主力仕入先メーカーを対象に決算概要および新年度の経営方針などを説明する「2023山善親交会」を帝国ホテル大阪で開いた。第2部の懇親会も含めた「フルリアル開催」は約4年ぶりで、290社の経営トップら293人が参加した。
 はじめに壇上に立った山善の長尾雄次会長は、41日付けの社長交代について説明。「このタイミングでの社長交代の狙いは当社の長期ビジョンを達成に導くこと。当社は昨年から2030年を見据えた長期ビジョンに取り組んでおり、古今東西、成功の要諦は目標と手段の徹底にある。ビジョンの達成はこれからの中盤戦の戦い方いかんだと考えており、善は急げということで今回の新体制にした。これまで以上に皆さんの知恵を拝借し、チーム岸田に期待いただきたい」と語った。
 続いて挨拶に立った岸田貢司社長は、233月期の決算(連結売上高は前期比5.1%増の5272億円、同営業利益は3.3%減の165億円、同純利益は4.2%増の125億円)を説明。「売上高と純利益は当社はじまって以来の記録。生産財と住建事業部は増収増益、家庭機器事業部は減収減益だった。しかし家庭機器は巣ごもり需要のダウンと為替の影響による仕入れ価格の高騰というやむにやまれぬ要因があり、その中でも売上高1千億円をクリアしたことを評価したい」と振り返った。
 昨年度にスタートした中期経営計画「CROSSING YAMAZEN 2024」では、最終年度(253月期)に連結売上高6000億円を目指しており、2年目の243月期には同5500億円を狙う。成長投資として3年間で400億円の投資を計画しており、新たな物流拠点「新ロジス大阪」を開設して251月の本格稼働を目指す考えだ。「アグレッシブな目標だと考えているが、自ら進んで積極的に事を成し、強い判断力で大胆に突き進む『進取果敢』の気概で挑みたい」(岸田社長)
 親交会ではセグメント別の戦略も語られた。「産業ソリューション事業部では、高度な専門性を持って自動化やカーボンフリーニーズへの的確な対応を行う。ツール&エンジニアリング事業部では技術営業を投入し、流通活動を強化するともに次世代のBtoBサイトの構築にも着手している。機械事業部では自動化の専門部隊であるTFS支社を強化し、ラボの新設を行う。住建事業部では太陽光発電や蓄電池、EV社会を見据えたV2Hに注力。家庭機器事業部では昨年に東京都の入札資格を獲得しており、公共事業にも参入する」(岸田社長)

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(写真左より、パナソニック・品田正弘社長、山善・岸田貢司社長、山善・長尾雄次会長)

■ともに未来を

 出席メーカーからは、パナソニックの品田正弘社長が代表挨拶を行った。「我々を取り巻く環境はウクライナ危機によるサプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰など、非常に不透明で予測不能な状況が続いている。そのようななか、山善さんはパーパスと企業ビジョンを掲げ、3カ年中期経営計画もスタートされた。これまでにも増して強く明確な方針を発信され、我々も非常に勇気づけられた思いだ。我々メーカーも山善さんとともに未来を切拓くべく努力し、ともに成長したい。岸田社長のお言葉を借りれば『進取果敢』、我々の創業者の言葉を借りれば『日に新た』を胸にパートナーシップを進めたい」(品田社長)
 懇親会では山善・佐々木公久専務の開宴挨拶に続き、リンナイの内藤弘康社長の発声で乾杯。CKDの奥岡克仁社長の中締め、山善・渡辺茂雄専務の閉宴挨拶で閉会した。

2023525日号掲載)